「ことばにフォーカスした教育」を象徴する入試 ~ 探究型入試紹介② 捜真女学校中学部 ~

インタビュー③ 学びと探究

探究は「学び続ける力」をつけるもの

――「捜真Vプロジェクト」では生徒さんそれぞれが自分の10年後のことを考えて探究を進めておられることがわかりました。学校全体として探究をどのように位置づけておられるかについても教えていただけますか?

捜真:
探究は「学び続ける力」をつけるものだと考えています。

教科学習、科目の授業はどうしても「教員が用意されているものを伝える」形になってしまうのですが、これからの時代の学びは、大人や周囲から与えられたものよりも自分で探すことが大切になっていきます。

生徒たちには、ずっと自分で学び続けることができる姿勢やモチベーション、技能を身に付けて卒業してもらいたいですし、そうして学んだことを自分だけのために使うのではなく、周りの人を、社会を、世界をどんなふうに幸せにできるかを考え、力を発揮して欲しいと願っています。

「10年後の自分」実現への道を全力応援

―― 「ことばにフォーカスした教育」そして探究。そのいずれも、変化する大学入試への対応という意味でも力を発揮しそうですね。先ほど、文系に進学する生徒さんが多いとのお話がありましたが、進路指導に関して何かご方針はあるのでしょうか。

捜真:
進路に関しては学校として特別の方針は持っておりません。生徒たちには「10年後の自分」の姿を思い描き、その実現に近づく進路を選んで欲しいと思っています。最終的に生徒が何をしたいか、そのためにどんなステップが必要かをともに考え、進学先を決めていきます。

進路指導についてさらに知りたい方はホームページより「進路指導」をご覧ください。

捜真:
本校は幸い、多くの指定校推薦枠をいただいていることもあって推薦や総合型選抜を活用する生徒は多いです。だいたい学年の半分ぐらいでしょうか。ただ、学校としては指定校だけに力を入れるということはなく、一般入試を含め、生徒の希望する形で希望する進路が実現できるよう全力でサポートしています。

――推薦や総合型選抜のサポート体制についてお聞かせいただけますか?

捜真:
生徒1名に対して2~3名の教員がついて、面接や小論文、志望理由書の作成をサポートします。専攻が生徒の希望している物に近い教員や高校の授業を受け持っていなくとも中学時代のその生徒をよく知っている教員など、生徒の希望する進路を実現する上で最適な形を考えるようにしています。

―― 一般入試に臨む生徒さんへのサポートについてはいかがですか?

捜真:
授業の中で数多くの演習問題に取り組ませるようにしています。高校3年生の後半、授業での登校がなくなる時期には、生徒が希望すれば直前集中講座のような形で受験対策を行います。

インタビュー④ 入試出願を迷われている方へ

わからなければ「わからない」と言える試験

――「対話学力試験」はさまざまなお子さんにチャンスがある入試ですが、入試体験などがないまま出願するのは不安と思われる方もおられると思います。

捜真:
「対話学力試験」に対するご不安のひとつに、面接への苦手意識があるのではと思います。本校ではすべての入試で面接がある(当日面接もしくは事前面接)ことを心配される方がいらっしゃるのですが、対話学力試験では面接の内容が学力試験なのでなおのことご心配なのではないかと。

――そうですよね。面接で突然聞かれて答えられなかったらどうしよう…と不安になるお子さんは多そうです。

捜真:
そうですね。でも私たちはそこが大事だと思っています。

――どういうことでしょう…?

捜真:
つまり、答えられない時、質問の意図がわからなかった時はそう言って欲しいんです。対話学力試験は、コミュニケーションの試験です。そしてコミュニケーションは、うまくいかなかった時のリカバリーが大切ですよね。

――ああ、確かに…。わからないからと下を向いて黙り込んでしまったらコミュニケーションができなくなってしまいます。

捜真:
はい。わからなければわからないと言える。もう一度聞き直したければそう言える。それをぜひ覚えておいていただきたいのです。特別な準備がなくともこれまでの勉強をしっかりとやっていれば受けることができる試験ですので、ぜひさまざまな方に挑戦していただきたいですね。

不安の多い今の時代だからこそ

――ありがとうございます。では最後に、(対話学力試験に限らず)出願を迷っている方のために、捜真女学校さんを選ぶ意義についてお聞かせいただけますか?

捜真:
捜真という学校には、創立から136年の間、変わらずにずっと大切にしてきたものがあります。

私たち人間には一人ひとり――それこそご本人もご家族でも気が付かない、見えないようなものも含めて価値があって、愛されるべき人として今、ここにそれぞれが存在しています。捜真はそのことを大切にし、生徒に伝え続けてきた学校です。

中高生時代は不安を感じたり迷ったり、つまづいたり弱気になったりすることの多い時ですが、そんな中でも捜真の生徒たちは最終的に自分の人生に対して非常に肯定的な価値観をもって卒業していきます。

一人ひとりには尊い価値があり、愛され育てられてここに存在している。その価値を輝かせていこう。そうした考え方がゆっくりと醸成されていく学校です。

今、世の中には不安があふれ、保護者の皆様にもお子様にも色々なご心配があると思いますが、捜真に入学なさってぜひ6年間安心して過ごしていただきたいと思います。

――本日はありがとうございました!

対話学力試験の概要

※下記情報の活用にあたりましては、念のためご自身でも「2023年度 捜真女学校中学部募集要項·出願」の記載をご確認いただけますようお願いいたします。

入試概要

  • 試験日: 2023年2月3日(金) 午前
  • 試験科目:国語・社会(20分)、算数・理科(20分)
    • 対話による学力試験(試験官との対面で行う口頭試問)
  • 当日のスケジュール:
    • 集合   8:50/10:20

出願とスケジュール

  • 出願開始日時:2023年1月6日(金) 9:00
  • 出願締切:  2023年2月2日(木) 18:00
  • 合格発表:  2023年2月3日(土) 17:00(ホームページのみ)
  • 入学手続締切:2023年2月5日(日) 17:00

入試の内容について

対話学力試験の様子を、先生と在校生さんが再現してくださった動画がYouTubeにアップされています。