伝統のグローバル研修は総合探究プログラムの核にも~ 探究型入試紹介番外編② 鎌倉学園中学校 松下校長先生インタビュー~

歴史の重みを学ぶヨーロッパ研修

アウシュビッツ・ビルケナウ収容所も訪問

――欧州での研修についてもお聞かせいただけますか?

松下:
ヨーロッパの成熟した文化を体感すること、そして、ユダヤ人迫害(ホロコースト)について学ぶことの2つを主目的としてプログラムを実施していました。

ウィーンでは美術史美術館を見学したり、国立歌劇場で本場のオペラを観劇したり。オペラは、私が行った時は「アイーダ」をやっていましてね、生徒たちは現地でより楽しめるようにとあらかじめビデオで学んでから現地へ行きました。

当日はネクタイを着用してマナーにも気を付け、紳士として振る舞う経験を積みました。

ウィーン国立歌劇場

ホロコーストについては、ポーランドのワルシャワ、クラクフ、そしてアウシュビッツ・ビルケナウ収容所を訪れてじっくり学びました。

アウシュビッツでは、日本人唯一の公認ガイドである中谷剛さんにガイドをしていただきましたので、学び取れるものが非常に多く、忘れられない体験となりました。

アウシュビッツ・ビルケナウ収容所

2022年は「人道の港 敦賀ムゼウム」へ

――ヨーロッパ研修については、2022年は渡欧が難しかったため目的地を国内に変更されたとうかがいました。どのようなプログラムを実施されたのですか?

松下:
杉原千畝氏の「命のビザ」によって国外脱出したユダヤの人々は、リトアニアからシベリア鉄道を使ってウラジオストクへと旅を続け、日本海を渡って福井県の敦賀港から日本に上陸しました。

敦賀市には、こうした方々の歴史を学べる博物館「人道の港 敦賀ムゼウム」があります。今年の訪問地はここにしました。

――ヨーロッパ研修の「ホロコーストについて学ぶ」という部分にフォーカスした形なのですね。

グローバル研修にかける想い

ヨーロッパ研修をハワイに振り替えたことも

松下:
ヨーロッパ研修に行けなくなったことは以前にもありました。その時は目的地をハワイに振り替えて実施しました。日系人の方々にお会いし、そのご苦労を直接うかがう機会となりました。

――ホロコーストについて学ぶヨーロッパ研修と同様に、マイノリティについて学ぶ貴重な機会となったのですね。

松下:
そうですね。日系人については最近、ここ鎌倉に日系人の方々を取材してドキュメントを作っている映画監督さんがおられることを知りましたので、直接お会いして話をさせていただきました。そこで、「うちの生徒に話していただけませんか?」とお願いをしてご承諾いただいたばかりなんです。

海外研修は高校の「探究」に限定しない

――生徒さんの「出会い」や「気づき」の場を作ることにすごく力を入れていらっしゃることが伝わってきます。

松下:
どんな体験が心に響くかは一人ひとり違います。だからこそ、できるだけたくさんの「場」を用意してあげたいんです。

先日、学園祭の時に一人の卒業生が訪ねてきましてね。彼は高校1年生の時に行ったベトナム研修プログラムの一環でカンボジアのアンコールワットに行って衝撃を受けたと言っていました。「こんなすごいものを人間は作れるのか!」その感動を前に進む力に変えた彼は今、大学で土木・建築を専攻しているそうです。

――素敵な話ですね!

松下:
ありがとうございます。やはり異文化を体験し、世界は広いのだと知ることができるグローバル研修が持つ意義は大きいのだと改めて感じました。

カンボジアには、今の中学3年生が卒業した後の春に行くことになっています。このプログラムには学年172名中65名の応募がありまして(2023年1月10日現在)。たくさんの生徒が楽しみにしてくれているとわかって嬉しく思っています。

――中学3年生ということは探究プログラムではなく…?

松下:
ええ。もともと、総合探究が始まる前の「グローバル研修」は中3から参加できていたんですよ。グローバル研修を探究に組み込んでしまうと、中3が参加できる海外プログラムがなくなってしまいますからね。今年は中3対象のカンボジア研修を実施することにしたんです。

今年(2022年)の12月には数年ぶりにベトナム研修を実施しましたが、これは今回に限り、高校2年生限定としました。今の高2はコロナの影響で中3、高1の2年間まったく海外に行くことができませんでしたからね。高2限定かつ希望すれば全員が参加できる形で実施しました。

――本日お話いただいた海外研修のほかに国内にも多彩な探究プログラムがあり、理科教育も校外学習も部活動もあり…カマガクさんでは本当に多くの体験ができそうですね。

松下:
さまざまな体験をして、クラブ活動に打ち込んで、友達を作って。そういった体験をする中で、自分が追い続けたいテーマ、やりたいことはこれだと気が付く。男子は特にそうなった時の爆発力やその後の伸びが目覚ましいんです。だからこそ、彼らの心に火をつける体験の機会をたくさん作り、いざ飛び出そうという時に困らないよう、基礎学力をしっかりつけておく。この2つには今後もさらに力を入れていきたいですね。

――本日はありがとうございました!

参考:2023年度入試概要

※下記情報の活用にあたりましては、念のためご自身でも「 2023年度中学校算数選抜・一次・二次・三次募集要項(一般入試・帰国生入試)」の記載をご確認いただけますようお願いいたします。

一次入試(2月1日AM)

  • 試験日時:2月1日(水) 8:50~12:15(集合 8:30)
  • 試験科目(配点):国語(100)・算数(100)・社会(60)・理科(60)
  • 出願開始日時:2023年1月10日(火) 8:00
  • 出願締切:  2023年1月30日(月) 22:00
  • 合格発表:  2023年2月1日(水) 19:00〜20:00、2月2日(木) 9:00~12:00(ホームページのみ)
  • 入学金納入期限:2023年2月2日(木) 23:59
    • 入学手続のためには2月2日 9:00~16:00/2月3日 9:00~13:00 の書類受取(窓口のみ)が必須
    • 納入金:入学金 250,000円、施設費 250,000円(ただし、入学時150,000円、入学後9月に100,000円を納入)
    • 一定期間内の辞退者には納入金の返金あり。
      • 入学金一部100,000円=2月13日(月)15時まで
      • 施設費全額=入学式前日まで

算数選抜(2月1日PM)

  • 試験日時:2月1日(水) 【集合A】15:40~16:40(集合 15:30)、【集合B】17:10~18:10(集合 17:00)
  • 試験科目(配点):算数(150)
  • 出願開始日時:2023年1月10日(火) 8:00
  • 出願締切:  2023年1月30日(月) 22:00
  • 合格発表:  2023年2月2日(木)19:00〜20:00、2月3日(金) 9:00~15:00(ホームページのみ)
  • 入学金納入期限:2023年2月3日(金) 23:59
    • 入学手続のためには2月3日 9:00~16:00/2月4日 9:00~13:00 の書類受取(窓口のみ)が必須
    • 納入金:入学金 250,000円、施設費 250,000円(ただし、入学時150,000円、入学後9月に100,000円を納入)
      • 一定期間内の辞退者には納入金の返金あり。入学金一部100,000円=2月13日(月)15時まで
      • 施設費全額=入学式前日まで
      • 「算数選抜と一次の両方または算数選抜と二次の両方に合格し、入学が決定した場合は、一次または二次の受験料25,000円は返金いたします」

二次入試(2月2日AM)

  • 試験日時:2月2日(水) 8:50~12:15(集合 8:30)
  • 試験科目(配点):国語(100)・算数(100)・社会(60)・理科(60)
  • 出願開始日時:2023年1月10日(火) 8:00
  • 出願締切:  2023年2月1日(水) 22:00
  • 合格発表:  2023年2月2日(木)19:00〜20:00、2月3日(金) 9:00~15:00(ホームページのみ)
  • 入学金納入期限:2023年2月3日(金) 23:59
    • 入学手続のためには2月3日 9:00~16:00/2月4日 9:00~13:00 の書類受取(窓口のみ)が必須
    • 納入金:入学金 250,000円、施設費 250,000円(ただし、入学時150,000円、入学後9月に100,000円を納入)
      • 一定期間内の辞退者には納入金の返金あり。入学金一部100,000円=2月13日(月)15時まで
      • 施設費全額=入学式前日まで

三次入試(2月4日AM)

  • 試験日時:2月4日(土) 8:50~12:15(集合 8:30)
  • 試験科目(配点):国語(100)・算数(100)・社会(60)・理科(60)
  • 出願開始日時:2023年1月10日(火) 8:00
  • 出願締切:  2023年2月3日(金) 22:00
  • 合格発表:  2023年2月4日(土)18:00〜19:00、2月5日(日) 9:00~15:00(ホームページのみ)
  • 入学金納入期限:2023年2月5日(日) 23:59
    • 入学手続のためには2月6日 9:00~16:00/2月7日 9:00~13:00 の書類受取(窓口のみ)が必須
    • 納入金:入学金 250,000円、施設費 250,000円(ただし、入学時150,000円、入学後9月に100,000円を納入)
      • 一定期間内の辞退者には納入金の返金あり。入学金一部100,000円=2月13日(月)15時まで
      • 施設費全額=入学式前日まで