芝中学校・芝高等学校 武藤校長先生のお話・穴埋め式まとめノート③

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
芝中学校・芝高等学校(東京都港区)の校長である武藤道郎先生のお話(全4回)の第3回です。

※その他の回をお読みになる場合は、下記リンクをご利用ください。
第1回 第2回 第4回

番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

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Topics1:教育改革

地に足がついた教育改革とは

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
第3回目ということで、今回は武藤先生に、今気になっているニュース、社会課題もしくはこれからの学校はどうあるべきかといったような、ちょっと真面目な話を聞いていきたいなと思うんですけれども。何か今、気になっていらっしゃることは(ありますか)?

芝中学校・芝高等学校
校長武藤道郎先生(以下、武藤):

これからの子どもたちに身につけてあげられること、これからの子どもたちが生きていくために学校教育がどうあるべきかということと、巷(ちまた)が教育改革をたくさんしようとしていたり、それが正しいというような論調がすごく出てきている(のですが)。

ICT教育もGIGAスクール構想も(それが)悪いと言っているわけではなくて、(でも私としては)本当の、地に足がついた教育をこれからどういうふうに「(1)」で展開していけばいいのかなという、行政とはちょっと違う(1)の部分のところ、ここを注意深く気にしながら日々考えているという――ちょっと真面目な武藤がおります。


おおた:
(中略)今、2点のお話がありました。
こんな時代を生きていく上で子どもたちに身に付けさせてあげたい力、そしてそれを――授けるというか、(生徒さんは)自分たちで獲得していくんでしょうけれども――それをサポートするという意味での学校の役割が一点。

(そしてもう一つは)世の中的に、教育はこれからこんなふうに変わらなくてはいけない、もちろんコロナ禍でICTが急速に広まったりということがあった。一方で先生は「地に足のついた」とおっしゃいました。ということは、地に足のついていない教育も散見されるのではないか、というような含みがあると理解してよろしいでしょうか。(中略)


武藤:
はい。(これからお話することはその)両方につながってくると思うのですが、本校が取り組んでいることをちょっとお話して、おおたさんにコメントをいただけると嬉しいかなと思います。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?





芝漬ゼミでやっていることは

武藤:
今、(本校では)子どもたちに「(2)」教育を展開しようとしていまして。
それは、行政からの良いきっかけとしては高大接続(があります)。
うちも、東京理科大や、(近いので)東京慈恵医科大、大正大学などと高大接続をやりながら、そして「芝漬(しばづけ)ゼミ」を(やっています)。

(本校には)「手塩にかけた芝漬」というキャッチコピーがあるのですが、芝漬ゼミでは、講習の中で、授業の中身を予習したり復習したり深めたりする授業ではなくて、外部の先生が来たり、(生徒が)出かけて行ったり、研究室を訪問したり、そこで大学の授業を聞いたりとか。というような講座が、夏期講習などの講習の中にあるんです。


たとえば、東京大学や慶應、早稲田といったところの研究室を訪問したりすることがあったり、特別授業をしたり。
また、各大学が中高生向けに色々な企画を夏などに打ってくれているんですね。そういうものに積極的に参加することを促したりとか。

(例を挙げると)電通大(電気通信大学)が「Irago会議(Irago Conference)」という国際会議をやっていて、すべて英語で、若い研究者達――企業の研究者や大学の先生が30分間自分の研究を発表したりするんですが、そこに高校生として参加させてもらって、会議の様子を勉強する(といったことをしています)。

<確認クイズ>
(2)に当てはまる言葉は何でしょう?





Topics2:「芝浜農園」で育てたいもの

今年から中学校が新課程に

武藤:
あとひとつ。今年から中学校が新課程に変わったんですけれども、そこに新しく中学――来年から高校が段階的に変わっていく中で。
今まで芝は、教科の中をどう深めていくかということを中心に各教科があったんですが、「(3)科」という科はないのですが、総合的学習 と(3)を中高で週1時間、コアカリキュラムでセンターに置いて――というカリキュラム編成をし直したんです。

おおた:
新しい学習指導要領でも(3)はひとつのキーワードになっていて。

武藤:
そうです。そこで何を育てるか。
私は校長に就任した時に――これは笑って話を聞いてもらったほうがいいと思うんですが――「木を育てたいんだ」と。「自分たちが育てた木は、自分の家にはならない。だけど未来の子どもたちがその木を使って自分の家が建てられるように、木を植えたい」(と言ったんです)。いいこと言ったと思いませんか?

おおた:
これは(武藤)先生が生徒さんたちに向かって…?

武藤:
いえいえ、教員に言ったんです。
そうしたら教員の一人が手を挙げて「土がダメだと木は育たないよ」って言いましたが…
(中略)

<確認クイズ>
(3)に当てはまる言葉は何でしょう?





大きな〇〇を育てたい

武藤:
そして今回はそこの農園に――ここを言いたかったんですが――名前を付けたんです。「芝浜(しばはま)農園」と。落語の人情噺の「芝浜」の。そこで、大きな「(4)」を育てようと思うんですよ。

おおた:
ん?話が見えない(笑)。

武藤:
木じゃなくて、「(4)」。
(3)とか総合的学習を何に(4)にたとえたらどうかなと思ったんです。
葉っぱが大きくて幹が太くて、(中略)上から見るとすごく一体感がある(4)。そういうものを子どもたちに。

で、子どもたちって(4)は嫌いじゃないですか。
だから、嫌いなものとか知らないものとか未知のものへの挑戦ということ(意味)もあるし。

(4)って案外すごいんだぞ、とそれに気づくと――教科には書かれていないんですよ。(4)はすごいって。その(4)(3)と学習で(育てる)。それにはキャリア教育とか学びに向かう力であるとか、自己肯定感とか……色々な力を育成するプログラムをやっていこうということだと思うんですが、こういうのをわくわくしながら、みんなで楽しみながらやるというようなこと、これが、新しい時代に少しマッチするような教育に実際的に移行していくチャンスというかチャレンジというか。そんなことを今、やっています。

<確認クイズ>
(4)に当てはまる言葉は何でしょう?




おおた:
新しい時代に生きていくためには(4)になれ、と。

武藤:
そうです。(4)が嫌いだったらカリフラワーでもいいんです。

おおた:
ちょっと確認させてもらってもいいですか?
木を育てよう、わかります。
木と(4)の違いは?

武藤:
ああ、木は時間がかかるんです。(4)は、即(笑)。
木は大事なんですよ。大事なんですけれども、(4)のほうが成長を自分で確認しながら…ということもできますし、木と違うところは――(4)を裏から見たことはありますか?おおたさん。毛細血管のように、小さい――小(4)がいっぱいあって、それがひとつの大きな(4)になっているんです。そして幹が太くて。だから(4)はすごくいいんですよ。

カリフラワーはカリフラワーで、お米とかの代用食品として、今、健康志向の(食品としても注目させるもの)になっている。

何かにたとえるならば…って、どこの学校でも「木」にはたとえると思いません?

おおた:
あ。確かに。

武藤:
(でも)(4)にたとえる学校は、日本にあまたの学校がある中で芝学園だけだろうなと(笑)
僕が「(4)はどうだ」と言っていると、(3)科の教員たちが「考えさせてくれ」って言って。ペンディングになっています(笑)。「校長が言うのは構わないけど」と。(4)ってなんだよ、おれたちが育てているのは(4)かよ…という(気持ちかもしれませんが)(笑)。

でも、ちょっと「(5)」しながら色々やっているんですよ。

<確認クイズ>
(5)に当てはまる言葉は何でしょう?




時には子どもにとってのチャレンジも

おおた:
(4)というと自分が子どもの頃、お弁当に入っているとイヤだなぁというものの代名詞でしたけれども。

武藤:
そのイヤだ、が子どもにとってのいいことなんですよ。好きなものだったら…

おおた:
でも武藤先生はおっしゃっているじゃないですか。
お弁当には好きなものだけ詰めてあげてください」って。

武藤:
そうそう、お弁当はね。(6)」はそれでいいんです。
(でも)教員である我々は、やっぱり(4)を食べさせないと(笑)。
子どもにとっても、食べるためのチャレンジなんですよ。

<確認クイズ>
(6)に当てはまる言葉は何でしょう?





Topics3:学校の使命とは

生徒たちを「導く」のではなく…

おおた:
あともうひとつ。これもつながっていくと思いますが、教育改革の今の流れ、それって正しいの?ということについては…

武藤:
たぶん、オンライン授業とかタブレットとかの教育とリアルの教育――コロナによってそれを検証することができたことは大きいと思うんですね。で、結局その中から、「遵法自治」と「共生」という校訓と、親も子どもも「遵法自治と共生だけでは頑張れないよ!」と言った、それはリアルな言葉なんだけれども、君たちはこれからいかに生きていくか。学校は「(7)」ところなのか。この2つの命題を、生徒たちに答えを出させたいんです。

<確認クイズ>
(7)に当てはまる言葉は何でしょう?





武藤:
生徒たち(が)「学校は勉強するところじゃないよ」って言ったら、勉強はしなくていいんですよ。友達関係を構築して(とか)、自分は運動を一生懸命やって体を鍛える・精神を鍛える(とか)――それはいいと思うんです。

学校は最終的に何をするところなのかって、私達教員サイドから――自分が今までやってきた中で――考えると、その2つの命題を解決するためには(こう考える)。子どもたちが未来をつくる。(だから)未来を作る生徒たちに「(8)」となることをやる、これが学校の使命じゃないかなと。

導いてやるとかそういう大層なことじゃなくてね。
(生徒たちが)自分たちで頑張っている、こういうことを頑張りたいんだっていうことに(8)を送ってあげるというのが学校の使命であると。であるならば、学校の存続(する)意味は限りなく大きいのではないかと。
(中略)

<確認クイズ>
(8)に当てはまる言葉は何でしょう?





見通せない未来=子どもたちが「作っていく」未来

おおた:
おっしゃるとおりで、今、盛んに言われているのが、コロナが出てくる以前から、これからの世の中というのは変化が激しい時代だと――まあ、世の中の変化は常にその当時の人から見れば激しいのだと思いますが――そういう中で、先が見通せない、20年後、10年後も見通せない中で、大人が自分たちの経験則を基にして良かれと思ってするアドバイスは外れているケースが多々あるだろうと。

じゃあ、そういった中で(子どもたちは)どう生きていけばいいの?と不安になっている親御さんも多いかと思うのですが、いやいや、その「どうなるかわからない」未来はこの子たちがつくっていくんですよ、という話で。

武藤:
そうです。

おおた:
だから、学校の中で、じゃあ学校で何を学ぶの?いかにして生きていくの?というのは、それは君たちが考えるんだよ。僕たち(大人)がああしなさいこうしなさいじゃなくて、今から自分たちで考えていけば、それが君たちが過ごす・生きていく世の中になるんだからさ。そのためのお手伝いをしますよ、という。

これは本当に――芝に限らず――今までは、ああだこうだとお尻を叩いてあげて引っ張り上げて導くのが学校の仕事であり先生の仕事であり大人の役割であるというような、世の中的な認識があったかと思うのですが、(実は)一番そこを変えていかなくてはならない。

もう僕たちに未来予測はできないよねという前提で、じゃあ君たちはどうするの?僕にできることはするからね、生きている間は。という、そういうことですよね。


武藤:
(今の話と)ちょっと合っているかどうかわかりませんが、水泳を教える時に、初めの頃は「ここまで泳ごう」と(大人が)前に立ってやったじゃないですか。だけどもう(今後は)外から「まだ行けるぞ!」とエールを送って。それで子どもが「先生、どうでしたか」って聞いてきた時に「俺はこう思うよ」「こういうことは用意してあげられるよ」とこういうことが。

そういう力を――自分から、自分の未来に向かって積極的に「(9)」する力が中高の間に育つということが――(中略)生きていく上での折れない心を育てる、人づくりの場なんじゃないかなと思っているんですよね。
(後略)

<確認クイズ>
(8)に当てはまる言葉は何でしょう?





いかがでしたか?
芝中学校・芝高等学校の武藤校長先生のお話・次回(第4回)配信分のテキストは こちら からご覧いただけます。


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