女子学院中学校・高等学校 鵜﨑院長先生のお話・穴埋め式まとめノート②

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
女子学院 中学校・高等学校(東京都千代田区)の院長である鵜﨑創先生のお話(全4回)の第2回です。

※その他の回をお読みになる場合は、下記リンクをご利用ください。
第1回 第3回 第4回


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

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Topics1:キリスト教主義の学校として

宣教師夫人が開いた学校

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
まず女子学院と言うと非常に歴史が古いというか、日本の中でも最古の部分に属するような歴史があるかと思うんですけれども、創立が確か…

女子学院 中学校・高等学校
鵜﨑創 院長(以下、鵜﨑):

1870年です。150周年を今年迎えることになります。


おおた:
おめでとうございます。では、学校がどういった背景で作られ、どのような歴史を経て今があるのかというところをご説明いただければと思います。

鵜﨑:
今、ご紹介がありましたように、1870年に築地の居留地にアメリカからキリスト教の宣教師が渡ってきて居住をいたしました。その中で――男子の教育が先に始まったのですけれども――女子教育の必要性が感じられまして、そして宣教師夫人によって「(1)」という学校が開設されたのが女子学院の起点とされています。これが1870年です。

その後、この学校は幼児教育ですとか看護教育ですとか、いくつかそういったものを含めて教育を行いながら、校名も変えつつ、最終的に1890年に「女子学院」という名前で現在の地に建ちました。それが女子学院の今現在の名前の始まりになっています。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?





キリスト教主義の学校で最も大切にされていることは

おおた:
宗派についてはプロテスタント…?

鵜﨑:
そうですね。キリスト教にはカトリックとプロテスタントとありますけれども、私たちはプロテスタントの学校です。キリスト教の女子校の中では最も古い学校のうちの一つに数えられることになります。

おおた:
キリスト教の中でも、いわゆる長老派といわれるところがもともと母体で…?

鵜﨑:
最初に宣教師を送りましたのは長老派の教会だったのですけれども、実はその後、いろいろな教派の方々が関わってきております。起源をと聞かれれば長老派ということになりますけれども、様々な教派が関わった形で現在の女子学院ができあがっております。


おおた:
そういった生い立ちがありながら、1890年に現在の地で女子学院として始まり、その当時からどういったことを――いわゆる建学の精神ですとか教育理念に掲げていらっしゃったのでしょうか?

鵜﨑:
女子学院で最も大切にすべきことは、キリスト教主義であるということです。もともと宣教師が開いた学校でありますし、草創期の教育の中にはキリスト教の考え方が非常に強くありました。

キリスト教の教育における考え方の最も大切な部分は、人間が神様に作られた存在であり、そして神様から愛されている存在であるということなんですね。

このことによって、(キリスト教主義の学校の)教育の中では――隣人愛という言葉がありますけれども――他者を尊重する、他者も自分と同じように神様に作られ愛されているひとりの人間であるということを認めていく、そこから「(2)」を認めるという形にもなってきます。

キリスト教主義の学校の中で、いずれもそうなんですが、最も大切にされている部分というのはここだと思います。

<確認クイズ>
(2)に当てはまる言葉は何でしょう?





Topics2:先駆者を生み出してきた背景

女子が自由に光り輝いていくことを大切にしてきた

おおた:
キリスト教主義の学校の中でも――これはちょっとステレオタイプな言い方になってしまうかもしれないのですが――いわゆるカトリック系の学校には割と規律が厳しめな校風が多いかなという印象があり、一方で、プロテスタント系の学校は割と自由を標榜されている学校が多いかなという印象があります。

間違いなく、女子学院に関しては「自由な学校」という印象を周りからも持たれているとは思いますが、これは、創立の当初からそういった雰囲気はあったのでしょうか?


鵜﨑:
そうですね。創立の頃から、女性が社会の中で思うように力を発揮できていないという現状がありました。そこから女子教育の重要性が認められ、必要とされてきたという経緯がありますので、女子が社会の中で「自由に(3)をしていく」「自由に光り輝いていく」というところを大切にする、そういう考え方があったと思います。

<確認クイズ>
(3)に当てはまる言葉は何でしょう?





先駆者」が多い。その意外な理由

おおた:
女性の活躍というと「日本初の〇〇」という方が多いですよね。女子学院の卒業生の中には。

私が女子学院について書かせていただいた本の中で、何人か取り上げているのが、まず、日本で初めて正式に国際結婚をしたのが女子学院の卒業生であったということとか、ちょっと面白い(回りくどい)表現なんですが、男性として初めて育児休暇を取得した人の妻が女子学院の卒業生だったということだったりとか。

戦後初の女性弁護士、初の航空工場整備士、朝日新聞で初の女性記者、朝日新聞で初の女性カメラマン。日本航空で初の女性チーフパーサー、女性として初めてマッターホルンやアイガーを制覇した登山家等々ですね。要するに、日本の社会における女性活躍のフロンティアを拡大してきたという学校――卒業生の皆さんなのかなと思います。


鵜﨑:
頼もしい卒業生が多いですよね。皆さん本当に社会の中で「(4)」部分でしっかりと働きをされていること、本当に誇りに思います。

<確認クイズ>
(4)に当てはまる言葉は何でしょう?





鵜﨑:
女子学院の卒業生・生徒の場合は、社会でいろいろなところで用いられる方が多くいます。

それは、卒業生が準備をきちんとしているということもあると思うんですけれども、「あなたにこれをしてほしい」と求められたときにそれに応じることができる――そういう人達が多いと感じています。

何かの”先駆け”を求めて自ら何かをしていくということよりも、むしろ、「あなたにこれをやってほしい」と言われた時に、それを「(5)」とは言わない。それを求められればやりましょうという方が非常に多いような気がしています。

<確認クイズ>
(5)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics3:女子学院の「自立」とは

自分自身の手で自由をきちんと守っていく

おおた:
私が以前女子学院の本を書くために歴史も勉強をしながら調べていた時に、すごく印象に残っている言葉がありました。

初代院長の矢島楫子(やじま・かじこ)さんが、校則みたいなものは作りませんよと言う時に「あなた方は『(6)』を持っています。だから自分で自分を治めなさい」という言葉が確かありましたよね。これがすごく女子学院を表しているなぁと私は思うのですが。

<確認クイズ>
(6)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

鵜﨑:
はい。女子学院の自立には、生徒たちは自分自身の手で自由をきちんと守っていくという部分があります。その時に、ルールで決められるのではなく――あなたはこうしなければいけない、と定められるのではなく――「(7)」ということを常に考えていくという部分なんです。

社会はこうである。あるいは、あの人は、こうしている。みんなはこうしているけれども、(7)――ということがきちんと考えられる。そのことを教育の中で大切にしてきています。

<確認クイズ>
(7)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics4:服装の自由について

「その時は、服装よりも教育の在り方そのものを反省すべき」

おおた:
もうひとつ触れたいのが、服装の自由のことで。女子学院といえば、普段から私服で学校に通っていることでも有名ですが、これはいつぐらいから始まったことなのでしょうか?

鵜﨑:
1970年代の最初です。この頃はまだセーラー服が制服として定まっている時期がありました。ところが、その頃は生徒と教職員の話し合いが活発であった時代でして…。

おおた:
1970年といえば、全国的に高校紛争をしていた時代ですね。

鵜﨑:
そうですね。大学のほうが非常に騒がしかった頃に、高校のほうもその影響を受けまして。女子学院でも1970年代の最初――1972年に制服を廃止することが決まりました。

ただ、生徒のほうには、どうしても制服を存続させたいという気持ちも強く残っておりまして、セーラー服をまったく無しにするのではなく、現在、「(8)」としてそれは残っております。

<確認クイズ>
(8)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

おおた:
その時の話し合いの記録を(本を書くときに)あらためさせていただいたのですが、その中で当時の大島院長先生から保護者に宛てたお手紙がすごく印象的だと思うので、ちょっと(ここで)読ませていただきます。

「生徒の中に学校の意を受けた風紀委員がいて、服装規定の実行を監視する任務を持つようになると、これは教育的に問題であるということに私達は気が付きました。

あるいは、人によっては思い切って派手な服装をしてくることもあるかもしれません。そして、ある種の流行になるという心配もあります。しかし、そのような『(9)』があるとするならば、すでに女子学院の教育に何か大きな欠陥があることを示すにすぎません。

その時は、服装よりも教育の在り方そのものを反省すべきであって、また、それに耐えられなくなって服装に憂き身をやつす生徒の弱さは別に解決すべきと思います」


ということがありまして。すごく謙虚で生徒中心の視点のメッセージだなと。これも私の中では女子学院らしいエピソードだと思っています。


鵜﨑:
そうですね。

<確認クイズ>
(9)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

いかがでしたか?
女子学院 中学校・高等学校の鵜﨑創院長先生のお話・次回(第3回)配信分のテキストは こちら からご覧いただけます。


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