豊島岡女子学園 中学校・高等学校 竹鼻校長先生のお話・穴埋め式まとめノート③

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
豊島岡女子学園 中学校・高等学校(東京都豊島区)の校長である竹鼻志乃先生のお話(全4回)の第3回です。

※その他の回をお読みになる場合は、下記リンクをご利用ください。(配信後、順次追加していきます)
第1回 第2回 第4回


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

※本テキストの著作権は、株式会社文化放送に帰属します。本テキストの一部または全部を無断で複写・複製することは法律で禁じられております。

Topics1:ジェンダー平等

COP26に日本の高校生・大学生が参加

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
(前略)今回は対談の3回目ということで、竹鼻先生ご自身が最近気になっているニュース、もしくは社会課題についてお話いただけますか?

豊島岡女子学園 中学校・高等学校
竹鼻志乃
校長(以下、竹鼻):
やはり(本校は)女子校ですので、ジェンダー平等でしょうか、気になっているのは。
先日、衆院選(衆議院議員総選挙)がありましたよね。そこで選ばれた女性の数は、やっぱりショッキングでした。

おおた:
本当ですね。少しは変わるのかなと思いましたが…。(中略)

竹鼻:
ええ。やはり、生徒たちが(今後)活躍していく社会は、より明るい社会のほうが――当然ですけれども――ありがたいですし、生徒たちの持っている能力も発揮しやすいと思うので、この結果にはちょっと残念だなと感じました。

ただ、それ以外にももうひとつ、よかったな、「(1)」なと思ったニュースもありまして。(先日)COP26が閉幕しましたが、そこに日本の高校生・大学生が参加していたというのが大変(1)なと感じました。(中略)

私は直接その生徒さんを存じ上げないのですけれども。COP26にはオブザーバーも含めて数万人が参加するようですが、今回は日本から若い人たちが5名参加して。スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが始めた「Fridays For Future」という組織があって、その日本組織から高校生と大学生が5人、初めて参加して。

その中の女子の高校2年生が「これから長く生きるのは私たちなのだから、若い人たちはもっと怒っていい」「とにかく時間がない」と非常に危機感をもってお話をされていたのを私はテレビの映像で見ていて、とても(1)なと思いました。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

自分のこととして自分で考え、自分ができる行動をとる

おおた:
グレタさんが始めた「Fridays For Future」は、もともとは金曜日に「私は学校に行かない」というストライキ。それは、大人たちは若者から私たちの未来を盗もうとしていると。そうやって未来の大人である私たちの人権を侵害するのであれば――ハンガーストライキというのは自分の命を懸けた抗議運動ですが、それに対してグレタさんがやっているのは――私たちは子どもで、学ぶ権利がありますと。学んでいかなければ未来はありませんが、その学ぶ権利を自らシャットアウトすることによって抗議しますと。そのぐらいあなたたちは私たちの未来をおびやかしているんですよと、そういう抗議活動だったわけですが。それに共鳴した日本人の高校生たち5名がそこに参加されたということですね。

竹鼻:
自分のこととして、自分で考えて、自分ができる行動をとったなんてすごく(1)なと。


おおた:
ジェンダーも環境問題も、本当に我々がこれから真剣に向き合っていかなければいけない社会課題、そして日本においては非常に大きな、急には変えにくいほどの足かせがたくさんある状態で。これをどうやって変えていくのかはすごく難しい問題だと思うのですが。このあたりのことを学校で話題にされたりとか、もしくは教育の中に取り入れたりということもされているんでしょうか?

竹鼻:
やはりうちは女子校なので、異性の目がない分、自分らしさを発揮できるし、自由にありのままの自分が出せて、自分の可能性を存分に広げられる・高められる環境だと思うんですね。

そこで「自分はこんなことができる」という(2)を付けさせる、色々なことに挑戦させて、挑戦する中で小さなつまづきとか失敗とかがあって、それを乗り越える経験をいっぱいさせて。とにかく(2)を持たせる。そして、知力・学力・人間力を鍛えて、社会に出た時にチャンスがあればそれをしっかりつかめるような力を付けてあげたいなと思っています。

<確認クイズ>
(2)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics2:理系・文系

行きたいところをどんどん受ける。それが当たり前

おおた:
なるほど。だから、ジェンダー平等という文脈の中では色々な考え方があって、ひとつには、ジェンダー平等社会を目指すんだから共学、という考え方もありますよね。社会は男性と女性がいるんだから、共学の環境の中で人格を形成していくことがジェンダー平等につながるのではないかという理屈も当然ながらあって。

一方で、女子校ですから、そもそも性差というものがない。男だから女だからという理屈で何かコミュニケーションやメッセージを受け取るということがない中で、そういう性差をとっぱらったところで(あるからこそ)自分を出しやすいと。そしてそのありのままの自分を表現して、「女のくせに」「女性らしく」などと言われることなく、思うままに自分を表現することができる(という考え方もあります)。

たとえば日本の場合、「理系は男子」のようにまだまだ――それはジェンダーバイアスと言われますけれど――決して女性が理科や数学が苦手だということはないと思うのですが…。


竹鼻:
ない。ないです。

おおた:
そうですよね。先生ご自身が、もともと研究者でいらしたのですものね。
それでも(日本はまだまだ)、そういう方向づけ――「女の子なんだからやっぱり物理じゃないでしょ/数学科じゃないでしょ」といった力が働きやすい社会で。それが先ほどの衆院選の結果などにもおそらく影響している社会のベースだと思うのですが。そういうところからは無縁の状態で、中高の多感な時期に自分を表現できる、これがひとつの女子校の存在意義とも言えるわけですよね。

竹鼻:
やはり(3)が働かないから、進路選択もうちは理系も、行きたいところをどんどん受けていくし、それが当たり前(という雰囲気です)。

おおた:
今はちなみに、理系と文系の割合ってどれぐらいになっているんですか?

竹鼻:
年によって違いますが、(理系が)7割ぐらいいく時もあるし…6割5分はいつもいっていますよね。

おおた:
理系のほうが多いんですね。(もちろん)そもそも理系・文系というのも受験科目選択の便宜上のことでしかなくて、当然ながらどちらも学んで卒業していくのだとは思いますが。進路選択において「女の子だからちょっと文系にしておこうかしら」みたいなものがほとんど働いていない。

<確認クイズ>
(3)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics3:校風

あの時に頑張れたから今も頑張れる、と思ってほしい

竹鼻:
先ほどのジェンダー平等でいうと、「2020(年に指導的地位を占める女性の割合を)30(%程度に上昇させる)」というものがありましたよね。あの目標も結局先送りにされてしまいましたが。

力があれば力で認めてもらえるような社会ができれば一番良いのですが、自分の中に「私はできる」という(2)を持たせられれば、社会で活躍しやすいんじゃないかなと思うんですよね。色々なことを(4)して、「あんな(4)をしたんだから、私はできる」と思って、苦しい状況も乗り越えて欲しいですね。


おおた:
本当にそうですね。(2)とそしてもうひとつ、「これをやろうと思うんだけど」と言った時に応援してもらえる(ことが重要ですね)。「女の子なんだからやめておきなさい」「そんなの前例がないんだから無理よ」ということではなく、チャレンジしようと思ったものを「やってみなよ」と言ってもらえる、そういう雰囲気。

竹鼻:
そういう雰囲気はうちの学校の中にはやはりあって。すごく色々な子――色々な特技を持った子がいて、それを応援していくという(雰囲気です)。「出る杭を打つ」なんて環境は全然ないので。どんどん、より伸びていく環境があると思います。

仮に社会がそうでなかったにしても「(学生時代の)あの時に頑張れたから私は(今も)頑張れる」と思ってくれるといいなと。


おおた:
実は私の知り合いにも、何人か豊島岡の生徒さんを持つ親御さんがいて。ちょいちょい、聞きますよ。なんか新しいことをやろうとしたら、竹鼻先生が「やりなよ!」と言ってくれたと(笑)。なんでも応援してくれるのよ、なんてお話を聞いたことがあります。

豊島岡の生徒さん達はチャレンジをして、それをみんなが応援するという文化があると思いますし、そうした(4)があると、社会に出て多少の向かい風があっても、みんながみんな敵ではなくて。ちゃんと応援してくれている人・見てくれている人がいるという原体験があればこそ頑張れるというところがあるでしょうね。

<確認クイズ>
(4)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics4:キャリア教育

今年は107人の卒業生が手を挙げてくれました

竹鼻:
大切なのは、「(5)」を磨くということです。本物の力をつける。「女だから」(という理由で)仮に数が割り当てられたとしても、「数で入ったのではなく、力で入ったんだ」と言え(るようであっ)てほしいですよね。

おおた:
もちろん。

竹鼻:
そのために、中学2年生で「卒業生インタビュー」というキャリア教育をやっています。

おおた:
中2で。

竹鼻:
中2でやっています。コロナ禍ですので(様々な方法で実施しています)。職場に来ていいよと言ってくれた先輩もいますし、学校に来てくれたり、オンラインで実施したり。色々なやり方でしたが、今年は107人の卒業生が手を挙げてくれました。

おおた:
今年1年だけで?

竹鼻:
そうです。

おおた:
107人全員にインタビューをするんですか?

竹鼻:
生徒たちがその107人のプロフィールを見て「この先輩にインタビューしたい」と決めて。

おおた:
え、それ、生徒さんが選ぶんですね!

竹鼻:
ええ。それで(話を)聞きたい先輩の話をうかがって…という形でやっています。

<確認クイズ>
(5)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

卒業生の姿を見て、じゃあ自分は…と考えてほしい

おおた:
社会の荒波の中へと巣立っていく生徒さんたちに卒業生たちがエールを送るという企画を、中2で毎年行っている。

竹鼻:
中3でやっていた時もあったのですが、今は中2になりました。色々な職業をお持ちの方がいて、みんな自分の仕事に誇りをもって、やりがいを感じて働いていらして。その姿が――中学2年生だと、学校の先生か親ぐらいしか大人に接することはないと思うのですが、(それとは)全然関係ない人がキラキラ光っていて、「自分はこんなことが楽しくて」と語っていただくと「そうなのか。じゃあ、自分は(6)かな」と。それを思ってほしいんです。

おおた:
「自分は(6)」と思いながら、すごくキラキラしている輝いている先輩たちを見て「あんなふうになれるのかしら」と不安にも思うのではないでしょうか。でも「(先輩も)同じ豊島岡で学んだんだから、私にもできるはず!」と、ある意味根拠のない自信を持てるというか(笑)。

竹鼻:
そうですよね。でも、(根拠のない自信って)大切ですよね!


おおた:
だって、「たぶんあの先輩も、中学2年生の時は私と同じだったに違いない。でも、あそこまで行けるんだ」と。それはすごく励ましになりますよね。

豊島岡をはじめ、多くの希望を持った女性たちが活躍できるような世の中になっていけばいいなと思います。そして未来の地球、環境が守られている(ことも大切で)。経済(中略)を回していくということももちろん人間が生きていく上では大切なことなのしょうが、そことのバランスをとりながら地球を守って。そしてその中でまたさらに、女性と男性、ジェンダーでの不平等もなくしていって、みんながそれぞれの自己実現をできる社会になっていけばと思います。

竹鼻:
そうですね。

<確認クイズ>
(6)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

いかがでしたか?
豊島岡女子学園 中学校・高等学校の竹鼻志乃校長先生のお話・次回(第4回)配信分のテキストは こちら からご覧いただけます。


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