日本大学豊山女子中学校・高等学校 柳澤校長先生のお話・穴埋め式まとめノート

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
日本大学豊山女子中学校・高等学校(東京都 板橋区)の校長である柳澤 一恵先生のお話です。


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

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Topics1:学校紹介と校風

日本大学の附属の唯一の女子校

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
それでは日本大学豊山女子中学校・高等学校の校長、柳澤 一恵先生にお話をうかがっていきましょう。柳澤先生、よろしくお願いします


日本大学豊山女子中学校・高等学校
柳澤 一恵
校長(以下、柳澤):
よろしくお願いします。

おおた:
(中略)先生、まず場所はどんなところにあるんでしょうか。

柳澤:
板橋区の中台というところにございまして、最寄りの駅は板橋もしくは志村三丁目です。地下鉄(都営三田線)と東武東上線の駅、両方からだいたい15分ぐらいで歩いて来られるような場所です(中略)

おおた:
周りはどんな風景なのですか?

柳澤
本当に住宅地の中にあり、とても静かで穏やかな環境です(中略)

おおた:
日本大学豊山女子中学校・高等学校さんですは、どんな学校なのでしょうか。

柳澤:
創設して57年目を迎える、日本大学の附属の唯一の女子校という形で現在までやってきています。

おおた:
あぁそうか、日大の附属の女子校って、あ、そうですね、一つしかなかったのですね。わかりました。校風や教育理念についてはいかがでしょうか?

柳澤:
とても穏やかな、そして「知性と敬愛」が校訓になっているのですけれども子供たちも本当に穏やかで、またご家庭も非常にご理解のあるご家庭が多い、とても安心して生活しやすい環境の学校ではないかなと思います。

おおた:
学校の教育をご家庭もよく理解された方が集まっておられる。

柳澤:
そうだと思います。

おおた:
子供たちも安心して過ごせますよね。先生からご覧になって日大豊山女子の生徒さん達はどんなところが魅力だと思われますか?

柳澤:
とても明るくて誠実で素直な子供たちばかりなんですね。私この学校に7年前に赴任いたしまして、それまでは日大豊山という男子校のほうに勤めておりまして、その後、女子校(本校)に校長として赴任いたしました。

来てすぐに…ちょっとしたところなんですが、私が帰ろうとしたところ子供たちがさっとドアを開けて「先生、どうぞ」と言ってくれる、そういう、本当に気遣いのできる子供たちが多い、たぶんご家庭でのご指導もあるんだなというふうに感じますね。

おおた:
先生の、今の先生の経歴をうかがって興味が湧いてしまったのですが、先生は30年間男子校で教えられていて、その後女子校に異動されて。先生もカルチャーショックはなかったですか?

柳澤:
実は私、娘が1人おりまして。豊山女子の中学校~高校に6年間お世話になっているんです。

おおた:
あ、なるほど。それでしたらある意味「勝手知ったる」だったわけですね。

柳澤:
ある程度は。はい。それと、日大豊山というところも同じですので、先生方の交流も他の学校に比べると多かったと思いますし、グランドも、女子も男子も一緒に使うという環境でしたので…。

おおた:
なるほど、わかりました。ありがとうございます。

Topics2:沿革

都内で唯一の「○○科」を持つ学校

おおた:
とても穏やかな校風の日大豊山女子なんですけども、現在のそういった校風はどのような歴史の中で作られてきたのでしょうか。今までの歩みみたいなところを教えていただきたいのですけれども。

柳澤
日本大学豊山という男子校の校長先生がいらっしゃいまして、その校長先生が(中略)60年ぐらい前に「これから女子もぜひ」ということで作られた学校なんです。ですから初めは、10年間ぐらいは日大豊山の校長先生が豊山女子の校長も務めるという時期がございまして、その後、日本大学豊山女子が独立して経営していくという形になったのです。

おおた:
なるほど。日大豊山の男子校時代というのは…歴史は…

柳澤:
護国寺にございます学校からスタートすると130年ぐらいになります。

おおた:
そうですよね。それでそこに女子の高等学校ができたのは、これは戦後?

柳澤:
はい、1966年です(中略)。その5年後に「理数(1)科」という科を豊山女子は作っているんですけれども、この(1)科が現在も続いているのは都内では――50年間続いているのは都内ではここだけなんです。今、全国的には(1)科という科はたくさんあるのですけれども、都内におきましては一時期たくさんあったのですがだんだん普通科に集約されていき、(1)科が残らなかったのですが、豊山女子はその歴史をずっと持って現在に至っているというところですね。

おおた:
面白いですね。これも私また興味を惹かれてしまったのですけれども、先ほど、全国的には理数科がたくさんあるとおっしゃいましたが、確かに地方の公立高校に行くと「(1)科」がいわゆる「優秀な子達を集めたクラス」みたいなニュアンスで使われているんじゃないですか。これは地方で取材をしているとすごく多くて。

それがでも、東京においてはだいたい普通科に吸収されていってしまった。その中で50年以上続いているのは、なぜ続けることができたというか、どういう価値観なのでしょうか。

柳澤:
やはり、(1)科を作った時から先生方はこの(1)科に対する思い入れが強くてですね、優秀な子供たちも多かったですし、日本大学には医学部、理工学部や工学系など、たくさん理系の進むべき道がございまして、そしてそういうところを目指す子は「日本大学のそういうところに行くんだったら豊山女子さんだよね」という形で、女子校のそういう意義が非常に認められていた時期が長くございました。

おおた:

(1)科の設置は昭和46年(1971年)ですよね。その時期に女子校なんだけれども(1)に力を入れていくんだぞという意思表明をして、それを50年以上ずっと守り続けてきたということなんですね。そこにすごく女子校としての矜持、そして(1)教育にかける意気込みみたいなものを感じられますよね。

柳澤:
ありがとうございます。

おおた:
その後、歩みの中で何かポイントとなる点はございますでしょうか。

柳澤:
私は7年前に来て――豊山女子はとても良い学校だということを存じ上げているがゆえに自分の娘も通わせていたということもあったのですが――やはり外から見ていると、もう少しこれからの女性の活躍を後押しできるような、そういう何かさまざまな取り組みができないかということを、豊山女子の校長になったときにすごく強く感じておりました。そういうこともありまして、ちょっと視点を変えて新たな取り組みを、色々と改革をさせていただいたというところがございます。

おおた:
そうなんですね。たとえばどのようなことを?

柳澤:
たとえば海外のほうに目を向けていくということで、長年、高校生には短期の海外留学というものがありましたけれども、中学生も海外に行かせてもいいんじゃないのという気持ちがございまして、中学1年生・2年生をニュージーランドのほうに3週間近く留学させるというようなものを取り入れたり。また、タブレットの導入もいち早くさせていただきまして。こういうものの活用をさせていただきました。

コロナになりましてニュージーランドのほうはストップしてしまったのですけれども、タブレットのほうは活用しておいて非常に良かったなと。オンラインの授業もスムーズにすることができましたね。


<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics3:保護者様へのアドバイス

返ってこなくても毎日同じように挨拶し、声をかける

おおた:
本当ですね。そんな日大豊山女子中高さんなのですけれども、この教育のエッセンスを一般のご家庭でも取り入れるヒントをいただければと思うのですがいかがでしょうか。

柳澤:
(中略)まず家庭で――家庭というか、1人の人間を育てる上で大切なのは――挨拶ではないかなというふうに強く思っております。私どもも毎朝校門に立って子どもたちに声をかけているのですが、本当に挨拶が自然に交わせるような環境ができあがってきておりました。

これはぜひご家庭でも、毎日会っているからなんとなくちょっとぞんざいにしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、言葉をかける・挨拶をする、これがやはり人間と人間をつないでいく非常に大きな力になると思うんですね。ですからお子さんまたはご主人とか奥さんとか兄弟とか、ぜひ挨拶・声かけ、これが大事ではないかなと思っています。

おおた:
子どもに挨拶がきちんとできる人になってもらうために、ご家庭でも挨拶を、まずご両親同士だったりとかおろそかにしないできちんと挨拶をしようよというのがひとつだと思うのですが、なかなか年頃の――お嬢さんに限らず男の子もそうでしょうけれども――親からの子の声かけに対して、照れるんだかめんどくさいんだか、真正面からちゃんと挨拶を返してくれなかったりするじゃないですか。そんな時は親御さんはどんなスタンスでいれば、自然に挨拶が習慣付けられるのでしょうか。

柳澤:
挨拶が返されないからといって目くじらを立てて怒らないことだと思います。挨拶が返ってこなくても毎日同じように挨拶をして声をかけると、ちゃんと伝わります。

おおた:
なるほど、素晴らしいアドバイスですね。そこで、豊山女子の先生が挨拶とおっしゃっていたから挨拶をしっかり教えなきゃ!ということで「なんであんたおはようってちゃんと言わないの!そんなのじゃダメな人間になっちゃうわよ!」というのではダメだよということですね。

柳澤:
そうですね。我々の方がそういうつもりで声をかけていくことが大事だと思うんですよね。私、毎朝声かけていますけれども、やっぱりちょっと恥ずかしそうにお辞儀だけして通って行く子もいますが、それでもいいんだと思うんです。積み重ねが大事だと思います。

おおた:
よくいろんな方がおっしゃいますけれども、挨拶って返してもらうためにするのではなくて自分の気持ちを伝えるためにするんだと。その姿勢を見せて、その姿勢を目に焼き付けてもらうということが(大切)。親の前ではなかなかしなくてもそういう挨拶が自然にできるようになる、そういう人になるために必要なことなのかもしれませんよね。

柳澤:
はい。子供たちも親の行動を見ていますので、親がきちんと挨拶をする、そういう親の子供であるということはとても誇らしく思っていると思います。

おおた:
なるほど、そうかもしれないですよね。先生、他にもございますか?

柳澤:
私自身も色々と子育てもしながら仕事もしながらずっとやってきていますけれども、行動するということがとても大切だと思うんですよね。先ほどもちょっと言いましたけども、昔も「親の背中を見て育つ」というふうに子育てに関しては言っていますけれども、やはり子供は親に対して、いつもどういう行動をとっているかな?ということを見て成長していきます。

だから――本当はご家庭では肩の力を抜きたい、気を抜きたいというところもあると思うのですが――意外と中学生ぐらいの年齢、ちょうどお父さん・お母さんがものすごく立派な人というところからだんだん目線と自分と同じような目線になっていく時期がありますよね、そういう時ほど、子どもは親に対して期待をしているところが結構多いと思います。

ですからそういうところできちんと答えてあげる、そういう姿勢を示すということも大切だし、だからといって上から押さえつけるようなことはしないで「話し合う」という姿勢が大事だと思います。話せばだいたいわかりますね。

おおた:
そうですよね。その話すのも、上から目線でお説教ではなくて、ちゃんと相手を対等の立場として話を聞くという姿勢を親の側が持っていると、子どもも自信を持って自分のことを自分の言葉で話してくれるという。そして、その次ですよね、親の言うことを聞いてくれるのは(笑)。

柳澤:
はい、そうだと思います。

おおた:
面白いですよね、親のことを「そんなことすごい人間じゃないんだ」ということが、現実がわかってきてある意味親に対する幻想が崩れる、幻滅を味わいながら、でも一方ではやはり期待を抱いていて。そういう独立と依存のアンバランス・駆け引きの中で…

柳澤:
そうですね。だいたい中学生ぐらいからそういう…

おおた:
そうですよね、思春期のね。親に対する期待と幻滅と、この両方が葛藤しているわけだから大変なわけですよね。

柳澤:
大変な時期ですね。

おおた:
そこで親は行動で示しつつ、そしてきちっと相手を対等な立場として話をする態度をしていれば、ちゃんと思いは伝わるはずですよ、そして自分のとっている行動のその意味も、いずれわかってくれるよということでしょうか。

柳澤:
ありがとうございます。全部言っていただいて(笑)すみません。

おおた:
いえいえ。

柳澤:
あと、私が思うのは、ここにきてコロナがあってオンライン授業とかも対応させていただきましたけれども、かつてから思っていたのですが、やはり人は人によって育てられるんじゃないのかなと思うんですよね。

なのでやはり色々な人と出会う、色々な人と関わり合う、その必要性を改めて感じました。いろんな意味で。もちろん接点が増えると摩擦も増えるところも多いんですけれども、そういうものを含めて、やはり人間が人間となっていくには外との関わりを避けて通れないなということを強く感じております。

おおた:
そうですよね。コロナによってそれが一度失われて、また交流が始まった時に「あ、こういう刺激ってあったよね」と少し新鮮な感じがありましたものね。直接的に人から学ぶことを思い出したときに、あ、こうだった、こうだったみたいなものがありましたものね。

柳澤:
はい。逃げずに人と触れ合うという、なかなかコロナの感染者数とか色々と心配なところもありますけれども、色々な形で自分から人との接点を求めて成長していって欲しいなというふうに改めて感じましたね。

おおた:
「自分から人を求めて成長していってほしい」それはすごく良いアドバイスだと思います。

校長室訪問、今回は日本大学豊山女子中学校・高等学校の校長、柳澤 一恵先生にお話をうかがいました。
柳澤 先生、ありがとうございました。


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