桜美林中学校・高等学校 堂本校長先生のお話・穴埋め式まとめノート

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
桜美林中学校・高等学校(東京都 町田市)の校長である堂本 陽子先生のお話です。


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

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Topics1:学校紹介と校風

今年で101周年目を迎えるキリスト教の学校

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
それでは桜美林中学校・高等学校の校長、堂本 陽子先生にお話をうかがっていきましょう。堂本先生、よろしくお願いします


桜美林中学校・高等学校
堂本 陽子
校長(以下、堂本):
よろしくお願いいたします。

おおた:
(中略)まず桜美林中高さんは、場所としてはどんなところにあるのでしょうか。

堂本:
桜美林は東京の町田市にある学校です。最寄り駅でいいますと、JR横浜線の淵野辺駅から、あるいは小田急線そして京王線の多摩センター駅からもスクールバスが出ておりますので、そちらの方からも通っていただくことができます。(中略)

おおた:
学校の周りの風景はどんな感じなのでしょうか?

堂本
わりに住宅街が多く広がっておりますけれども、校舎からは富士山も見えておりますので、緑豊かな環境の中でのびのびとした、そんな校舎になっております(中略)

おおた:
先生からご覧になって桜美林中高はどんな学校なのでしょうか。

堂本:
本校はキリスト教主義の学校なのですけれども、その前身は中国の崇貞学園から始まっています。ですので、崇貞学園から数えますと今年で101周年目を迎えるキリスト教の学校ということになります。

おおた:
中国の崇貞学園といっても、日本人の方が向こうに渡って作られたという学校なのですよね。

堂本:
はい、そうなんです。

おおた:
中国の学校が来て作ったというわけではないんですよね。

堂本:
はい、違います。本校の創立者が桜美林を作る前に、まずは中国のほうに渡りました。本校の創立者は清水安三という人物なのですけれども、その清水が桜美林を作る前に、実は海外の宣教師――キリスト教の宣教師第1号というパイオニアの形で中国での宣教活動を始めたんですね。

けれども、そこで宣教活動をすると同時に中国の子どもたちのための学校教育を始めたというのが最初になりまして、そこから、敗戦をきっかけに日本に帰国してきた時に、また改めて東京の町田市で桜美林学園を創立した、同じ人物が崇貞学園と桜美林学園を作ったという意味におきまして「創立101周年目」という数え方をさせていただいております。

おおた:
(中略)先生からご覧になって桜美林はどんな学校だといえますか?

堂本:
先ほども申し上げましたけれども、キリスト教主義の学校ですので、日々生徒たちは礼拝、祈りの時間を大切にしています。キリスト教というものに日々接しながら、自分を見つめるとか自分自身を大切にする、あるいは他者のことも自分と同じように大切にしていく、そういったことを土台としていきながら、国際的にどんなふうな生き方ができるだろうか、ということを日々考えつつ学んでいる学校になります。

ですので、教育理念といたしまして「キリスト教精神に基づく国際人の育成」という言葉で表されておりますので、日々、国際性とかキリスト教というものを意識しながら、比較的のびのびと明るく。そうですね、優しい生徒たちが多くいると思っています。

おおた:
最近何か学校のご様子で印象に残ってることはありますか?この学校らしいなと思ったシーンって。

堂本:
そうですね、色々なものがあるんですけれども、今はちょっとコロナ禍ということがありましてなかなか思うように活動ができていませんが、それこそ東日本大震災が起こった後の復興でボランティア活動に駆けつけて行った経験があります。そこから毎年、被災地をどのように支援していくのか、あるいはそういった人たちと共にこれからもどのようにつながって災害に対しての学び・防災に貢献をしていくことができるのかということを、有志の生徒たちが集まって活動をしています。

「さくらプロジェクト」という名前で呼んでおりますけれども、それは卒業生も出ておりますが、卒業生たちも後輩たちのために帰ってきて自分たちの経験を語ったり、一緒に学びを進めていくサポート役を担ってくれたりしながら、生徒たちは主体的になって活動している、そういった活動もあります。

おおた:
復興支援が「さくらプロジェクト」。それが全体的に引き継がれているわけですね。

堂本:
そうですね。あとは、本校では中学3年生で修学旅行としてオーストラリアに出かけてファームステイをしていくのですけれども、コロナ禍の中でちょっと結果的には行くことができなかったのですが、そのための事前学習ということで、異文化交流をするためにはまず自分たちのことを紹介できるようにしていこう、そのための英語力ということで、総合学習の時間帯の中で「町田・相模原わがまちタウンマップ」というものを作ったんですね、

自分たちの通っている学校の周りの地域、歴史、文化、そしてお店、人々、そういうものを自分たちが取材をしていってマップにして、そのマップにしたものに英語訳をつけたりしながらそれを1冊の本にまとめました。それが非常に地域の方々に喜んでいただき、とても大きな反響をいただきまして。

地域の人たちとつながりながら自分たちの異文化理解、英語力を高めていくということと同時に、日本にやって来られる留学生の方や海外から来られる観光客の人たちにとってもこのマップは非常に助かるということで、非常に好評をいただいているものになります。

おおた:
自分たちが半分勉強のつもりで作ったものがでも実際に役に立つと生徒さん達も嬉しいですよね。

堂本:

そうですね。いろんな方々に取材に来ていただいたりしまして、達成感があったように思います。

Topics2:沿革

「桜美林」の名はオーバリン大学から

おおた:
なるほど、それは良い経験ができましたね。さてそういう桜美林中高さんなのですけれども、先ほど創立についてのちょっと複雑な話をおうかがいしましたが、歴史の部分で学校がどのような歩みを経てきたのかについて、補足はございますか?

堂本
先ほどお伝えしたように、一番最初に清水安三がキリスト教の宣教師として中国に渡りましたけれども、その1年後に中国の華北部の方で大干ばつが起こるんですね。深刻な大飢饉の中で飢餓にあう子供たちがたくさんいる、そういった現場を目の当たりにしまして、清水は早速被災児童の救援のための災童収容所を設立いたします。つまり被災地の復興支援・災害ボランティア・国際ボランティアの先駆けになっていくのですけれども、まずそういった子供たちの救援活動にあたっていて、本人の文章の中では799人の子供たちを救ったという言葉があります。

けれども――その後、親元に子供たちをお返しするわけですけれども、やはりもうすでに災害の中で親御さんを亡くした子供たちもおりましたので、その子供たちを引き取りながら、自分たちはお父さん・お母さんとなって教育をしていこうという決意をしたんですね。

その中でちょうど中国を見回しますと、貧困のゆえに身売りをしなければいけない少女たちが多くいるという現実を知りまして、清水はそういった少女たちに教育を施しながら人間としての尊厳を守っていきたい、教育を通して彼らに社会的な自立をしていくことができるような学校教育を始めたい、そんなことが思いの中から始まりまして、崇貞学園につながっていきました。そこから学校教育が始まっていったんですね。

おおた:
なるほど…わかりました。一度戦争によって思いが閉ざされてしまい、日本に引き揚げてきて、この戦後の新しい学制の中で桜美林という学校が作られていくわけなんですけれども、今は大学もあるじゃないですか、これはどういう順序でできてきたのですか?

堂本:
桜美林学園の順番、一番最初は、実は中高から始まっています。引き上げてきて町田の地に立って学校を始めた時、中学校・高等学校から始まっていきました。

おおた:
それは崇貞学園がもともとそのぐらいの年代だったから…

堂本:
そうです。

おおた:
なるほど。あともう一つ、気になったので質問していいですか?清水安三さんというのは日本のプロテスタントの宣教師として第一号で海外に行ったというきっと凄い人なのだろうなと思うのですが。バックグラウンドはどういった方だったのでしょうか?

堂本:
もともとは裕福な家の子どもとして生まれているのですけれども、お父様が早くになくなってしまいまして、後を継いだお兄様がかなり放蕩をしてしまい、一家が没落をしてしまうんですね。その貧困の中で清水はなんとか学んでいきながら、膳所中学校という滋賀にある学校に行って、その学校でウィリアム・メレル・ヴォーリズという宣教師に出会いまして、その宣教師によってキリスト教へと導かれていき、牧師になっていくのですね。

なので、非常に苦労しながら学んだ人であって、学びながら・働きながら、一人ひとりの、それこそ貧困ですとかあるいは人間の尊厳を守っていくとかそういったことをとても意識してきた人だったんだろうと思います。その課題を乗り越えていく土台が彼にとってはキリスト教の考え方であり、キリスト教の信仰であったのだろうと思われます。

おおた:
なるほど、ありがとうございます。私は今回、このインタビューをするにあたって御校の沿革を調べたときに初めて知ったのですが、桜美林って語源がオベリンさんなのですね。

堂本:
そうです。フランス人の教育家でジャン=フレデリック オベリンという方がいらっしゃるのですが、非常に幼児教育を最初に手掛けていくような教育者の中では有名な方なのですけれども、その方の名前を冠にした大学がアメリカのオハイオ州に「オーバリン大学」という名前であるんですね。そちらに清水は留学をしている経験がございます。

オーバリン大学は、アメリカで一番最初に人種の区別なく男女の性別の区別なくすべての人に教育の門戸を開いた、非常に(1)な学校なんです。そこからの影響が強くあります。そしてちょうど、町田の地に立った時に桜が林をなして並んでいた常に美しい場所だったということがありまして、その名前とその風景を重ねあわせて、桜の美しい林、オーバリン、桜美林となったわけなんです。

おおた:
なるほど、若干ダジャレなんですけれども(笑)、風景が思い描かれますよね。そしてオーバリン大学というのが彼にとっての一つの理想として、これをモデルにした学校にしようということがあったわけですね。

堂本:
そうですね。やはりすべての人種に平等に、対等に教育を施す、一人ひとりの尊厳を大切にする。男性も女性も対等に――桜美林は男女共学論を戦前から訴えていたそういった教育者から始まっておりますので、そういった考え方もオーバリン大学から始まっているんだと思います。


<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics3:保護者様へのアドバイス

お子さんの中にある宝物を探し出していく気持ちで言葉がけを

おおた:
なるほどよくわかりました、ありがとうございます。とてもプロテスタントらしい(1)な思想がしっかりと根底にある学校だなということがよくわかったのですけれども、では桜美林中高流の教育、教育のエッセンスみたいなものを何か一般のご家庭の中で取り入れるヒントをいただければと思うのですが。

堂本:
本校は国際人の育成ということで「国際性」ということをとても大切にしている学校なのですけれども、その中で国際性とは何かということで、いろんなことが言われます。語学とかいろんなスキルとか言われますけれども、まずやはり人にとっての国際性というのはやはり、自分と異なる他者との出会いを通じて始まっていくんだと思うんですね。

自分と異なる他者と出会っていくことで初めて自分自身を知ることができますし、改めて自分を知るともう一度他者を知ることができる、そういったことの中で出会いの中から国際性というものが生まれてくるんだと思います。色々な人との出会い、あるいはいろんな経験との出会い、読書とかニュースもそうですね、そういったことの出会いを通して社会とか世界との出会いの接点がたくさんある、ということがとても大切だと思うんです。

ご家庭の中でもそうしたいろいろな人との出会い、社会との出会い、出来事との出会い、世界との出会いの場をたくさん用意してあげていただけるといいのかなと。そうすることによって、出会いからお子様自身がまだ見えない自分の、新しい自分との出会いが始まっていくということにもつながっていくのだろうと思います。

そのためにも保護者の皆様も、お子様の良いところとかお子様自身が気づいていないような部分、そういったところに気づかせてあげるような言葉がけを大切にしてあげると良いのかなと思います。自分を大切にされた経験のある人は自分自身を大切にすることができますし、自分を大切にできる人はやはり他者を大切にしたいと思うようになっていくんですね。

ですので、お子様との出会いの中で、そのお子様の中にある宝物を保護者の方が探し出していくようなそんな気持ちで言葉がけをしていただいて、あるいはいろんな出会いのチャンスを用意していったりする、そして自分のお子様のことだけではなく、そのお友達だったりとか他者の――「あの人のここって素敵だよね」とか、「こういった人たちがいるけれども、こういった人との違いの中でこんなことをやって行けたらいいよね」というような、異なる人との出会いの中でどう一緒に、良い形で生きていくことができるのかということを探すような、そういったために知恵を絞るような工夫とか態度というものを、日ごろのニュースとか出会いを通じて一緒に考える、あるいは話題にしていく、そういった機会があるとよろしいのではないかなと思っております。

おおた:
なるほど。いいですね。国際性とは出会いである、出会いに開かれていると。

堂本:
そうですね。そこから始まる。

おおた:
…そのスタンスが国際性の根本なんだよというお話だったかと思います。そしてその出会いに開かれるためには、それこそお子さんが、子ども自身も気づいていないような、でも素敵なところ/宝物みたいなところを親御さんが「あなたは、これ素敵じゃない?こういうところ、イケてると思うよ」というようなことを(言ってあげると、お子さんは)「え、そうなんだ」と。自分自身では当たり前だと思ってしまっていることって、人間はたくさんありますものね。でもその価値に気づいていくということ自体が、それぞれの人が当たり前のように持っている素敵な部分に気づける人になっていって、出会いが豊かになっていく。

堂本:
そうですね。そうすることで、自分と違う人と共に生きるということはどういうことなのか、自分と違う人を見る見方やまなざしというものを持つセンスというのでしょうか、そういったものがやはり国際性の土台となっていくんだと思うんですね。そこからもっと英語をやりたいとか、もっとこの国のことを知りたいとか、もっとこんなことで社会につながっていきたいというような「思い」がまた始まっていくと思いますので、そうした言葉がけ・出会いがたくさんあると素敵かなと思っております。

おおた:
ありがとうございます。大変勉強になりました。
校長室訪問、今回は桜美林中学校・高等学校の校長、堂本 陽子先生にお話をうかがいました。堂本先生、ありがとうございました。


今回の内容のご感想やコメントなど、ぜひお送りください。
(私たちが責任をもって文化放送さんにお届けします)

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