新渡戸文化中学校・高等学校 小倉 良之校長先生のお話・穴埋め式まとめノート

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容の主要部分を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
新渡戸文化中学校・高等学校(東京都中野区)の校長である小倉 良之先生のお話です。


番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

※本テキストの著作権は、株式会社文化放送に帰属します。本テキストの一部または全部を無断で複写・複製することは法律で禁じられております。

Topics1:学校紹介

2020年からの改革で「さまざまな風」が吹き始めました

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
それでは新渡戸文化中学校・高等学校の校長、小倉 良之先生にお話をうかがっていきましょう。小倉先生、よろしくお願いします


新渡戸文化中学校・高等学校
小倉 良之 校長先生(以下、小倉):

よろしくお願いします。

おおた:
今回は新渡戸文化中高さんのお話をおうかがいします。まず、場所としては最寄り駅ではどちらになるのでしょうか。

小倉:
丸ノ内線の東高円寺です。荻窪駅から3つ目。新宿からだと4つ目で降りて、青梅街道沿いに歩いて、5分~10分でしょうか、青梅街道からひとつ住宅地の中に入っていますので静かなところです。

おおた:
周りは静かな住宅街という環境にあるわけですね。そういった環境にある新渡戸文化中高さんなのですが、この学校の特長や校風はどのように言い表せすことができるでしょうか。

小倉:
もともとは東京文化女子という女子校でして、その名前でご存じの方も東京にはいらっしゃると思うのですが、2010年から名前を「新渡戸文化」へと変えまして、そういった伝統もあるのでしょうか、極めて穏やかな学校だと思います。

おおた:

なるほど、穏やかな。そういった「伝統」というのは、この東京文化女子の時代のどういった部分のことをおっしゃっておられるのでしょうか?

小倉:
もともと森本厚吉さんという方が創立者なのですが、その方が先輩である新渡戸稲造氏を招へいして作った「女子経済専門学校」という、もともとは女子教育のための学校でして、いわゆるあの時代の様々な教育を女子にも…という高い志の中で生まれた学校ということで、そういった幅広いというか、心の広いというか、そういった中での教育機関ということで、穏やかさがずっと伝統的に残っていると思います。

それが、それまでの東京文化女子の流れということでありまして、実は2020年から本校は大きな学校改革を始めておりまして、その影響というか、それはいい影響なのですが、言ってみれば校風という「風」でたとえれば、(従来は)穏やかなそよ風が吹くようなキャンパスだったのですが、今はさまざまな風が巻き起こって面白いことが起きているというような、ワクワクするような状態になっているという感じでしょうか。

おおた:
面白いですね。穏やかなそよ風だったところから――台風でもきたのかと思いましたが――さまざまな(笑)。

小倉:
つむじ風も起きています(笑)。

おおた:
そこにワクワクが感じられるような色々な風が生まれていて、そこで風と風がまた混じり合ったところでまた新しいものが生まれるかもしれないという、そんなワクワク感なのかなという気がいたしますけれども。

小倉:
そうですね。まさに混じり合うというところで言えば、「(1)」という――探究的な学習の時間と言われてしまえば確かにそうなのですが――本校は水曜日をまる一日、いわゆる教科学習という時間割は入らずに全教員が関わって生徒の様々なプロジェクトをサポートしていく日にしています。まさに先ほど申し上げた「さまざまな風が吹いている」というのはそこのあたりで、生徒が自らプロジェクトを始めていて、面白い結果というか、できている、起きているところなんです。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

Topics2:改革

生徒一人ひとりが輝くような学校にしなければならないと思っています

おおた:
2020年に改革を行ってという、そしてさまざまな風が生まれているというお話があったのですが、そもそもどういったきっかけで改革を行ったのかというところまで含めてこの学園の生い立ち、そして、新渡戸さんが創立者だということは名前から明確なのですがご存じないかたもいらっしゃるかもしれないので、創立者がどんな方だったのか、そしてどういう歩みを経てきた学園なのか、そしてどういうきっかけ・ねらいがあって今回の改革(がなされたのか)、実際に何が変わってきたのか・何を変えたのかをうかがっていきたいなと思います。

小倉
わかりました。歴史といえば、先ほど申し上げた森本厚吉という、文化生活研究会を有島武郎や吉野作造とともに立ち上げている、新しいことをあの時代に始めた方々なのですが、たとえば同潤会アパートがありましたけれども、あれと同じように文化アパートメントというものを作って、生活全般を近代化しようと取り組みを始め方々がいまして、その人たちがでは女子教育をということで始めたのが女子経済専門学校だと。1927年なのですが、そこで生まれたというところなんですね。

おおた:
昭和2年ですね。

小倉:
はい。そこで、札幌農学校――今の北大ですよね――の先輩である新渡戸稲造氏を招へいして、校長になってもらえないかということから始まり、そこから数年後、1931年に別の女子校があったのですが(これが)経営に窮した女子校だったんですね、そこを合併して附属女子校として成立したのが中高の始まりです。

おおた:
もともとは高等教育機関として――専門学校と当時言われていましたが、昔の専門学校というのは今でいう大学に近い意味合いがあって、特に戦前は、女子には大学に行くという進路がほぼなかったという中で高等教育機関に行こうと思ったら専門学校という選択しかなかったという時代ですよね、あるいは師範学校にいくかという選択肢しかない中で、女子が学べる専門学校を作りました、そしてその附属の学校として1931年に現在の中高につながる学校が生まれたということですね。

小倉:
はい。その時は中高の生徒は学生数も少なかったのだと思いますが、新渡戸稲造さんは――とても子ども好きだったみたいですね――この子たちを、なんとか学校を存続させて卒業させてあげなければいけないという親心で引き受けることを決心して、中高がそこで――附属の高等女学校ですけれども――できたというところがありまして。

実は、新渡戸稲造さんはその後まもなく1933年にカナダで逝去されるんですね。僕は歴史を読ませてもらって非常に感慨深いなぁと思ったのは、行く前に、(今でいう)女子中学生・高校生を前にしてお話をしているんですよ。その中にぜひこの学校をさっぱりした気持ち――という言い方をするのですが、さわやかなという意味でしょうか――でいっぱいの学校にしてくれと。そして、その人たちが後光が差しているようなそんな学校になって欲しいなあと。私が帰って来る時には皆さんが光っているその光でまぶしくてあの正門を入れないかもしれないなぁとなんていうことを言いながら去って行ったんですね。

結局それはかなわなかったわけなのですが――カナダで亡くなったので――そんなふうな言葉を残している。我々はそれをとても大事なことだなと思っていまして。先ほど校風というお話をさせていただきましたが、まさにそれでなくてはいけないと思っています。先ほどは風という話をしましたが、「光」ですよね、今度、求めなくてはいけないのは。生徒一人ひとりが輝くような学校にしなければならないと今、思っているところです。

おおた:
生徒一人ひとりが輝く、新渡戸さんはそれぞれが後光を輝かせているようなそういう学校にという言葉を残しているわけですけれども、生徒一人ひとりが輝いているような学校でなければいけないであろうと。そういった戦前の生い立ちがありまして、戦後、当然学校の制度が変わりまして、新制の中高という形になっていくわけですよね。長らく「東京文化」という名前で親しまれていたところから、まず学園名変更が2008年。そして2014年、2017年で共学化を段階的に行っていって、2020年からさらに学校改革を明確に打ち出した。すごくダイナミックに動いているなという印象をうけるのですが、ちょっとこのあたりも流れもご説明をいただけるとありがたいのですが。

小倉:
新渡戸文化という名前に変えたのは、女子校としての力がなかなか衰えたというか、先ほどのまさに存続が難しいような学校から始まったところですが、ある意味――言葉を選ばなければいけないかもしれませんが――そういう状態であったと。ここで新たにまたリスタートするんだという気持ちで名前を変えるという判断を当時、理事会がしたようです。共学化もその流れですね。

そうした中で先進的な教育というものを、やはり古い学校だからこそ採り入れなければいけないだろうと当時の理事長以下の経営陣が考えまして。その中で、本校で学校改革を一緒にやっている仲間がいるのですが、その先生たちの活動が目に留まって「一緒にやってくれないか」という声がかかったんですね。そこで意気投合し、小さな学園ですが、ここで――いわゆる21世紀型と言われますが、そのような学校へと大きく踏み出してみようと。そしてうちでやった成果を全国に発信してするような、そういう学校になろうと。相当高い志を我々はもって、私立、あるいは公立から異動してこの学校で頑張ろうと今、やっているところなんです。

その中でも我々の背中を押してくれているのが、不思議といえば不思議なのですが、やはり創立者の森本厚吉であり初代校長の新渡戸稲造なんですね。たとえば、新渡戸稲造が残していることばで、「自分のしたことで世の中が少しでもよくなるのならば生まれた甲斐があるものだ」というものがあります。我々は現在、教育理念として「Happiness Creator」(幸せをつくりだす人)という横文字の言葉をあげているのですが、これは「私と誰かの幸せをつくりだす」という意味であって、自分が幸せになるというだけではないんです。

あるいは、我々「教職員心得」という新渡戸稲造がつくった、全部で9つある条文なのですが、たとえばそのうちのひとつに「知育のみに偏せざるよう、思慮と判断力の養成に励む」と書いてあるんですね。これは要するに、我々が大事にしているのは、知識のインプットはもちろんそうなのですが、大事なのはアウトプットのほうであると、これがしっかりできなくてはいけないというところで、プレゼンとか発表とか得た知識を組み合わせるということをとても大事にしているんですね。そういったことも新渡戸稲造のかつての言葉の中に込められていて。我々は新しい学校を作ろうとしているけれども、決して古いものを壊そうとしているわけではない、当初の志をまたこの時代の新しい形で実現しようとしているんだという気持ちで励まされているところですね。

史上初、サイエンスアゴラに参加する中学生チームが出ました

おおた:
なるほど。今おっしゃった「知育に偏らず」――知識の詰め込みという意味での知育という文脈だったのかなと思うのですが、そこに偏らずに、思慮や判断力、要するに自分の頭で考えて自分なりの考えや意見をつくり出して、新しいものをアウトプットしていくことを大事にしなさいよということを新渡戸さんがおよそ100年前に言っていて。(つまりは)21世紀型の改革と言いますが、結局のところ本質は100年前から変わっていないよねと。新渡戸さんだけでなく福沢諭吉さんも同じようなことを言っていたと思いますし、100年前、120年前の教育者は、今の社会で求められている「これからを生きていくために必要な力ってこういうことだよね」ということは実は彼らはすでに言っていたんですよね。それを伝統として持っていて、でも現実社会、今の21世紀の中でじゃあそれをどういうふうに形にしていくの?という具体的に実装していく上での方法を新渡戸学園での学校改革の中で行われていることなのかなと理解いたしました。実際に「モデルになっていくような」高い志をとおっしゃっていましたが、だいぶ手ごたえを感じていらっしゃるのではないですか?

小倉:
ええ。難しいですけれども――結果と言われると「進学実績」というふうにどうしてもなってしまいがちな現実があるのですが――でもまだ2年目・3年目ということなので、ただし、たとえばアウトプットということで申し上げれば、最近、ついこのあいだ決まったのですが、サイエンスアゴラという日本の科学技術振興機構が開いているいわゆる科学の祭典があるんですね。もちろん参加には審査があるんですが、通常、大学や企業の研究室、あるいは、時々1つ2つ高校からも出ていることはあるのですが、それが、本校の中学生のグループがその審査に通ったんですね。

これは本当に成果として嬉しいなと思っているのは、彼らは、先ほど申し上げた(1)で科学実験ラボという名前で活動しているグループなんです。彼らが何をしているのかというと、いわゆる実験をするラボではなく「実験室をつくる」ラボなんですね。自分じゃないんです。実験室として開放して、来てもらってそこを楽しんでもらうという。

おおた:
空間デザインみたいなものですね?

小倉:
そうです、それも含めたものですね。個人で楽しむ・探究するというのではなく、人に開放する・開いていくという、それが目的で実験とかやり方とかそれをどう説明すれば・どう表現すれば…

おおた:
ああ、そうか。実験室をただデザインするだけでなく、実験を自分たちがやるだけでなく、それを見せることを前提にと。

小倉:
そうです、そうです。見せて科学の面白さあるいは背景や深みみたいなものを知らせていくとおうことが目的のグループで。それが合格ということで、これは実が中学校では初めてらしいんです。中学生が出てくるのは。ブースもいただいて、11月にむけてさらに――うちは附属の小学校もありまして、そこの小学生に向けて見てもらって色々意見なんかも聞いて改善をしているのですが。そういった意味では、ひとつの結果かなと思っております。

おおた:
それはすごく短期間で出た成果ではありますよね。私がこのお話をしたのは、学校改革とか新しいことに積極的に取り組むモデルとして、そういう考え方・姿勢を発信したいとおっしゃっていて、私の印象ですが、他校さんとか教育関係者が「なにか新渡戸が面白いことをやっているぞ」というそういう目で見ている印象を私は持っていて、そういうモデルとしてみんながウォッチしているそういう学校だなという印象を持っております。決して進学実績とか気にしないで、その道を進んでいただきたいなと個人的には思いますけれども。

小倉:
確かに、視察とか問い合わせは非常に多くて、全国の先生方やあるいは自治体(から)。ありがたいことに「探究を進めていきたいんだけれども」「先進的なことをやっておられる(と聞いて)」ということで、ありがたいことです。

おおた:
これも…すごく上から目線な言い方になってしまいますが、そうやって新しいことに果敢に挑戦していれば当然うまくいかないこともたくさんあるわけじゃないですか…

小倉:
はい、あります。

おおた:
…それをモデル校として、ぜひその失敗も共有をどんどんしていただいて「これはやってみたんだけどダメだったんだよね、やめたほうがいいよ」といったことも含めて発信していただけると、すごく社会の財産になって。それが、新渡戸さんが残した言葉の「死ぬときに、生まれた時より少しでも世の中がよくなっていれば」ということにつながればと。

小倉:
そうなると思います。ありがとうございます。

おおた:
すごく楽しみですね。本当に、色々な風が起きていて。つむじ風も起きていて。それが今度、社会に渦を巻き起こすような存在になっていってくれたらすごく嬉しいなと思います。

Topics3:保護者様へのアドバイス

私たちに求められる「親心」とは何でしょうか

おおた:
そういった長い歴史がありながら、また新しい教育に果敢に取り組んでいる学校ということなのですが、この新渡戸文化中高流の教育のエッセンスみたいなものを一般のご家庭でも取り入れるヒントやアドバイスみたいなことをいただければと思うのですが、いかがでしょうか。

小倉:
はい、では、我々が生徒と対応する時に大事にしているのが「対話」なので、そのことについてお話します。当たり前と言えば当たり前なのですが、我々は、時間がかかりますけれども、さまざまなトラブルや困りごとが起きた時にも生徒との対話をすごく大事にしています。一方的に「これはルールだから」とか「これはあなたが悪い/君が悪い」とそういうような話ではなく、「なぜそうなってしまったのか?」というところを自分自身に考えさせるようにしています。その時に「3つの問いかけ」というものを、中学でも高校でも基本的にやっています。

相談ごとや困りごとが起きた時には、「今どんな状態なの?どんな気持ちなの?」(と聞いて)まず、子どもたちの今の本当の気持ちを受け入れます。そして「どうなりたい?」(と聞きます)たとえばけんかしちゃったということがあれば「そうなんだろうね」と受け入れる。(そして次に)「どうなりたい?」(と聞く。)「でも仲直りはしたい」と言われれば「そうなの」と。答えが出てくれば、次に言うのが「そのために私ができることはある?」(ということです。)

要するに、あくまで教員はサポートであって、できることがあればやるよ、どう?と言うんですね。(そうすると生徒は)「いや大丈夫」と「これは自分たちで解決するから」とだんだんしてくるようになったんです。あるいは、話をしたいけれども気まずいから先生に一緒にいてほしいという段階もあります。あるいは、そんなにうまくいかなくて「どうなりたい?」(と聞くと)「殴ってやりたい」(と生徒が答えることもあり、そんな時は)そうか。もうちょっと考えようねと言って対話を続けなくちゃいけないことももちろんあります。でもそんなふうにしている間に、生徒は本当に変わってくるんですね。

ですから、皆さん、保護者さんもお子さんとの対話を本当に大事にしていると思うのですが、まずは受け入れて、どうなりたいかを引き出して、あくまでも(自分は)サポートというところで意識していくのがいいのかなとは思っています。というのは、これも新渡戸稲造の教職員心得に書いてあることなのですが「人を子を預かる以上は親心をもってこれに対すること」と書いてあるんですね。要するに、教員は生徒に対して親心で対せよとも言えると思うのです。

僕はこの「親心」という言葉は、単に面倒見をよくしろとか先回りをして助けろという意味では決してないと思うんですよ。(だって)新渡戸稲造さんは「武士道」の人ですから。盛岡藩士ですから。僕はこれ、どういう意味が「親」なのかなと思いましたが、ありていに言えば、親は子より先に死ぬんですね。いつか離れていかなくてはいけないし子どもは一人で生きて行かなければいけない、その時に(子どもが)自分たちで判断して自分で生きて行かなければいけないということを、やはり我々、親としてもあるいは教員としてもそこは教えていかなければいけない。 

本校は「自律的学習者」ということを大切にしているのですが、まさにそこであって、ゼロから出発しなければならない時に子どもたちが自ら歩み出せるように、そんなことを常に想定して対話というものをしていくことが大事なのではないでしょうか、とお伝えしたいです。

おおた:
ああ、素晴らしいですね。まず「3つの問いかけ」というのは非常に具体的で、これはご家庭でも少し意識を持つことによって使えるようになるのではないかなと。つい家庭のルールとか親の価値判断、善悪でジャッジしてしまいがちですが、その前にまず子供の状態を聞いてあげて、どうなりたいの?という先行き・見通しに視点を向けさせて、そしてその変化に対して、私――当事者ではない親がどういう関わりをできるの?必要なの?必要ないの?という、そういう関係性を明確にしていく対話の形は非常に具体的だったと思いますし。

そして、新渡戸さんの話の中に出てきた「親心」という言葉をさらに、じゃあこれって何なんだろう?と。先生は今、ひとつの解釈をおっしゃっていただきましたけれども、それぞれの親御さんが「自分が持つべき親心って何なんだろう」という問いを自分の中に抱え続けるということも非常に重要な。それは決して、常に子どもの前に立って両手を広げて子どもを守るぞということではなく、自分がいなくなった時に子どもが自分のことを守れるような状態にしていくという。自分が先にいなくなることを前提にして、じゃあ今、親である自分は何をすべきなのかを考えるという。すごく広い視野に立ったアドバイスをいただけたと思います。ありがとうございます。

校長室訪問、今回は新渡戸文化中学校・高等学校の校長、小倉 良之先生にお話をうかがいました。小倉先生、ありがとうございました。


今回の内容のご感想やコメントなど、ぜひお送りください。
(私たちが責任をもって文化放送さんにお届けします)

こちらのフォームにご入力をお願いいたします↓↓