3つの言語教育と進化を続けるオリジナル探究プログラム~ 探究型入試紹介⑧ 芝浦工業大学附属中学校 佐藤校長先生インタビュー ~

インタビュー③ 学びと探究

中3「総合探究」プログラムではITとGCを統合

――先ほどは中学1年生と2年生での探究プログラムについてお話をうかがいましたが、中学3年生の探究プログラムはどのようになるのでしょうか?

佐藤
SHIBAURA探究は2021年度から始めたもので、プログラムの開発も同時進行なのです。次年度(2023年度)には1期生が中学3年生になりますので、そこで展開できるように現在、準備を進めています。

ホームページでもご案内していますが、中学1年生・2年生の2年間、両輪のように取り組んできた「IT」「GC」を統合した「総合探究」というプログラムにしていく予定です。

ホームページ「SHIBAURA探究」より

現在(注:取材時は2022年12月)はプログラムを策定中ですが、案の段階ですでに、とても面白そうものができています。

――プログラムの進捗はこまめに確認されているのですか?

佐藤
はい。なにしろ、本校の教員が作っていますので。

――オリジナルのプログラムなのですね!

佐藤
総合探究だけでなく、ITもGCもそうです。本校の探究の授業にテキストは一切なく、何らかのサンプルやフォーマットをもとに作ったということも一切ありません。本校の先生たちが創意工夫をこらし、まったくのゼロベースから――あるいはマイナスからのスタートだったと言えるかもしれません――立ち上げたものです。結果、TもGCも今、すごく良い形で進んでいます。

探究プログラムは先生方がゼロベースで開発

佐藤
本校の探究プログラム(特にGC)は、多くの企業さんが協賛してくださっています。豊洲には様々な大企業があり、そういったところが本校の取り組みにとても好意的に協力してくださっているのです。生徒たちはそうした企業さんに探究の途中経過や成果を定期的に発表する機会をいただいています。

――外部からのフィードバックを得る機会は貴重ですね。「豊洲」という土地ならではというところでもあるのでしょうか。

佐藤
もちろんそれもあるのですが、なんといっても先生方の熱意によって実現した部分が大きいと思います。本校の企業連携はすべて、先生方が一つひとつ自ら連絡をとり、お願いしてきた成果ですので。

――ここでも先生方がゼロベースで!

佐藤
はい。最近では豊洲市場さんとの連携も実現しました。多方面からのご協力を得て、臨場感のある学びが実現できていることに感謝しています。

ビジョンの共有が先生方の熱意を生み出す

――先生方がそこまで動いてくださる原動力は何でしょうか。

佐藤
私が校長の立場でこのようなことを申し上げるのは大変僭越ではありますが、本校では、「こんな生徒たちを育てたい」という方向性やビジョンに対する先生の理解と共感に並々ならぬものがあると思っております。理想像をしっかりと共有し、その実現のために教育内容にさらに磨きをかけていきたい。さらにその取り組みを本校以外の方々にもお伝えしてきたい――そんなふうに思っている先生がとても多いのです。このような意欲はとてもありがたいことだと常日頃思っています。

――さらに良いものを作っていこうという文化が校内にできあがっているのですね。

佐藤
はい。私からは、職員会議などの場で先生から定期的に現在の取り組みを報告していただいたり、広報誌に取り組みの内容をどんどん掲載したり、素晴らしい成果があった時には皆さんの前でご紹介したりするようにしています。先生同士も互いに声を掛け合って、より良いものを作っていこうねと励まし合っている光景が日常的に見られます。

「サイエンステクノロジーアワー」では理科の教科内横断授業を実践

――オリジナルの探究プログラムでの成果や学びは、他の授業にも反映されていますか?

佐藤
まさに今、反映し始めているところです。

本校では、探究プログラムが始まる前からさまざまな教科横断型授業を実践してきました。

たとえば、中学校の「サイエンステクノロジーアワー」では、物理と化学、化学と生物のように理科の教科内での科目横断的な授業をしています。

サイエンステクノロジーアワーと理工系授業

本校の探究プログラムはゼロから作り上げているものではありますが、教科横断的な取り組みについては探究が導入されるずっと前から伝統的に行われてきました。こうした積み重ねと探究プログラムでの経験を融合し、教科の授業も進化させていきたいと思います。

インタビュー④ 入試出願を迷われている方へ

明確なアドミッションポリシーを持つ学校

――芝浦工業大学附属中学校さんにはどんな生徒さんが入学していますか?

佐藤:
自分の好きなものをしっかり持っている生徒が多いですね。鉄道や乗り物、建築、プログラミングやコンピューター、ロボット。あるいは宇宙。勉強では、理科の実験が好きだったり、算数が好きだったり。そんな子がとても多いですし、私たち教員も、そういった子たちが集まってくることを想定して授業や探究のカリキュラムを作り、更新し続けています。

――アドミッションポリシー(注:入学者の受け入れ方針)が明確なのですね。

佐藤:
はい、その通りです。本校では、卒業生の約8割が理工系に進学します。ものづくりが好き。将来は建築士になりたい。あるいは新しい機械を開発してみたい――入学してくるそんなお子さんたちの能力と個性にさらに磨きをかけ、とがらせていく。芝浦工業大学附属中学高等学校は、そのような学校です。

2024年度入試から第3回日程を廃止

――そういえば、 2024年度中学入試からは第3回の入試日程が廃止されるとホームページで拝見しました。第1志望の生徒さんにより多く入学していただきたいというメッセージでしょうか?

佐藤:
はい。1学年あたりの人数はそれほど多くありませんので、より多くの第一志望の生徒さんに入学していただけるようにと考え、入試日程の変更を決めました。

理工系の能力で社会課題を解決する人を育てる――本校はそのフロントランナーとしての使命感を持ってこれまでも学校運営をしてまいりました。そしてそれは、今後も続いていきます。

お子さんの「好き」を好きだけで終わらせず、世界と社会に貢献できる人へと育てて行く。そのために必要なことを中学1年生からの6年間をかけて体系に学び、さらに大学でも学び続けることができる学校は、他になかなかないものと自負しております。本校の考え方や教育に共感していただけるお子さん・ご家庭を心よりお待ちしております。

――本日はありがとうございました!

【参考】特色入試(午後)の概要

※下記情報の活用にあたりましては、念のためご自身でも「募集要項」の記載をご確認いただけますようお願いいたします。

入試概要

  • 試験日: 2023年2月2日(木)午後(集合 14:30)
  • 試験科目:
    • 14:40〜15:10 言語技術・英語のうち1科目選択(30分・100点満点
    • 15:30〜16:00 算数(30分・100点満点

言語技術入試問題の解説はYouTubeで視聴することができます。

また、特色入試のサンプル問題も公開されていますので、あわせてご活用ください。

出願とスケジュール

  • 出願開始日時:2023年1月10日(火)
  • 出願締切:  2023年2月1日(木) 23:59
  • 合格発表(WEB): 2023年2月2日(木) 23:00
    • 校内掲示による発表は行いません
  • 入学手続締切 : 2023年2月9日(木) 18:00
    • 一度納入された費用(寄付金を含む)は、原則として返還できません(但し、入学手続完了後、所定の期間内に「入学辞退届」を提出した場合には後日、入学金(280,000円)を除いた入学手続時納入金を返還)。