ちゃんと悩み、ちゃんと学び、さまざまな体験と経験を通じて目標を見つけられる学校~ 探究型入試紹介⑩成立学園中学校 ~

インタビュー③ 学びと探究

中学と高校探究クラスは「文系も理系も」

――ナショジオ入試を開始された際、アドミッションポリシーのひとつに「文系・理系にとらわれない広い領域への知的好奇心と創造力」とありました。この点について少しお話いただけますか?

成立学園:
文系・理系って、確かに得意不得意はあると思いますが、では不得意だからほんとに嫌いなのかと言われると違うかもしれませんし、興味があるからといって成績が取れるわけでもないのですよね。

――数学が得意か・苦手かだけで文系・理系が分かれてしまうところもありますね。

成立学園:
はい。でもそれはあまりにももったいないなと思っています。ですから高校の探究クラスでは文系も理系も全部やるんですよ。文系・理系の枠にとらわれることなく幅広くやりましょうというのが中学校の考えですし、高校の探究クラスの考えでもあるんですよ。

――探究クラスはいつスタートされたのですか?

成立学園:
2020年度からです。この春(2022年春)に1期生が卒業しました。探究クラスは高校2年生からですので、丸2年が経過しました。

探究=総合型選抜ではない。すべては生徒自身が「何をしたいか」

――学校案内の「卒業生座談会」やホームページで卒業生さんの言葉を拝見しました。探究クラスと聞いて、研究をつきつめて総合型選抜での大学を目指すのかな?と思っていたのですが、成立学園さんの探究クラスは海外大学への進学を見据えておられると知り驚きました。

成立学園:
生徒自身の考え――将来自分が何をしたいのか、何を学びたいのか、何を研究したいのかを明確にし、進路を選択することが一番大切だと思っています。確かに、これからは日本国内だけで何かできるという時代ではありませんので、海外を視野に入れることも重要です。ただ、「君たちは海外に行かなければならない」と言うつもりはまったくありません。

探究クラスではボストンでの研修などもプログラムに入れています。そこで何かを学び、感じ取って、自分は海外に行きたい・学びたいと思ったのなら、それを尊重します。ナショナル ジオグラフィックの使い方もそうですが、学校は経験や体験の場を用意し、生徒が選択する。私たちは生徒の望む方向性を実現するためにしっかりサポートしていくだけです。

総合型選抜においても、確かに探究クラスで自分の学びを突き詰めていった結果、合格しやすいということはもちろんあるだろうと思います。でもそれはあくまで選択肢のひとつに過ぎません。探究クラスを総合型選抜に特化したものとして設置したつもりはまったくなく、海外もあり、一般受験もちろんありです。進路は生徒それぞれの考え次第で、我々の役割はそれをサポートすること。その体制を整えているのが探究クラスなのです。

――探究クラスを卒業した1期生さんをご覧になって、どんなことを感じますか?

成立学園:
大学とのマッチングミスがないのが大きな特長ですね。

大学受験での学校選びって、大学側が情報を提供してくれていたとしても、自分(生徒)の方が入学して何をやりたいのかがかなり固まっていないと、マッチングミスが起きやすいと思うんですよ。

でも、探究クラスでは自分のやりたいことを2年間――中学の3年間も加えると5年間ですね――かけて突き詰めていくことができますので、ああ、私はこういうことをやりたいんだということが見えた状態で大学選択ができます。1期生の面々からは入学した先が自分に合っており、これからもっともっとその分野を深めていきたいんだという声が聞こえているのは本当に嬉しいですね。学内でも(高1以下の)生徒たちにそういった声が伝わって、探究クラスって面白そうだねと思う生徒が増えているようです。

――探究クラスの人数が増えるかもしれませんね。

成立学園:
そうですね。おかげさまで1年目より2年目、2年目より3年目と人数が少しずつ増えています。

本校は「2コース+5クラス制」ですので、もちろん「見える学力」をしっかりつけることに重点を置く授業にも力を入れていますが、中学校から培ってきた「見えない学力」を一層伸ばしていく探究クラスという新たな試みもしっかり根付いてきたと言えるのではと思います。

学校HPより「2コース+5クラス制

インタビュー④ 入試出願を迷われている方へ

一人ひとりを「ちゃんと」見てもらえる学校

――成立学園中高さんはどんなお子さん・ご家庭に選ばれていますか?

成立学園:
中学に関して申し上げると、やはり「見えない学力を育てる」というところにまず共鳴していただけている部分が大きいのかなと思っています。そしてもうひとつご期待いただいているところとして、「うちの子どもをちゃんと見て欲しい」というご要望が強いように感じます。

――ちゃんと。

成立学園:
はい。一人ひとりの生徒をちゃんと見てほしい、ちゃんと関わってほしい、ちゃんと触れ合ってほしい、ちゃんと導いてほしいといったご期待ですね。そこは我々、定評があるところで。先生たち一人一人が本当に――ちょっとおせっかいなくらい――生徒たちに関わっていくところが実際ありますし、中学は少人数制でもありますので、そこに魅力を多分感じてくださっているのではないのかなと思います。

――学習の面では成立学園中学校さんには「初年度教育を重視」という方針があったかと思います。お子さんにちゃんとした勉強習慣を身に付けてほしい、勉強に向かう姿勢をつくりたい、理解できるまで丁寧に学んでほしいといったご期待にも応えられそうですね。

「我々は原石を見つけたいんです」

――お子さんがナショジオ入試に向いているかを確かめる方法はありますか?

成立学園:
これは簡単です。ナショナルグラフィックのサイトで「写真」をご覧ください。その中の1枚の写真をお子さんに見せて、これはなんだろうね?何が映っているんだろうね?どういうことなんだろうとちょっと会話をしていただいた時、えーなんだろう、これすごいじゃん、と話が弾むお子様であればきっと向いていると思います。

――ナショジオ入試の説明会や体験会には参加できなかったけれど受験はしてみたい…というお子さんもいらっしゃるのではと思います。どんな準備をして臨めば良いか、可能な範囲でアドバイスをいただけますか?

成立学園:
ナショジオ入試では、2枚の写真を使います。それらの写真には実普は共通項があって、何かを訴えている。ですから、ナショジオサイトの写真は何を訴えているのか、このカメラマンさんは何を伝えたくて写真を撮ったのか、そして自分はそれを見て何を感じるのかを考える練習をいくつかしてみてください。

――試験本番では作文を書くのですよね。

成立学園:
はい。400文字、原稿用紙1枚分の分量です。その中に、1枚目の写真と2枚目の写真から読み取れること、何を訴えているのか――たとえば地球温暖化など――を書き、この課題に対して解決策(自分やできることややっていること、できそうなこと)を書いてもらいます。

――今からでは作文対策が間に合わないとご心配な保護者様もいらっしゃるかと思いますが…

成立学園:
構えないでください。書いていただく解決策は身近なものでいいんです。たとえば、ゴミを捨てる時にこういうところに気を付けようとか、そんな答えでもいいんですよ。

――文章表現がちょっと稚拙だったりしても大丈夫…

成立学園:
全然問題ありません。

我々は原石を見つけたいんです。

中学受験ってある意味トレーニングな側面があって、そのトレーニングを重ねてきた、研ぎ澄まされたお子さんが良い点数を取る、それはそれでもちろん素晴らしいことなのですが、そうではないお子さん、まだまだ全然これからだというお子さんもたくさんいると思っています。

私たちは、ああ面白いなあ、伸びしろがたくさんありそうだなあと感じられるお子さんにぜひ出会いたいですし、本校にぜひ入ってもらいたいと思っています。それこそ6年生まで塾にも行ったことがなかったとか、急に中学受験をすることになったとか、そんなお子さんとご家庭も大歓迎です。

ナショジオ入試も決して「立派な文章」を求めているわけではありませんので、サイトを訪れて写真を見てちょっと感じたことを書いてみるとかそういった練習をして、本番ではあくまで自分目線で背伸びをせずに回答を書いてください。自信を持ってやっていただければと思います。

――よくわかりました。ありがとうございました!

参考:ナショジオ入試の概要

※下記情報の活用にあたりましては、念のためご自身でも「募集要項」の記載をご確認いただけますようお願いいたします。

入試概要

  • 試験日: 2023年2月4日(土) 午前(集合 8:30)
  • 試験科目:作文・算数(50分間)

出願とスケジュール

  • 出願開始日時:2023年1月10日(火) 9:00
  • 出願締切:  2023年2月4日(土) 7:30
  • 合格発表: 2023年2月4日(土) 14:00~(HP)※手渡しは2月6日(月) 9:00~10:00
  • 入学金納入締切 : 2023年2月10日(金) 15:00