神田女学園中学校高等学校 芦澤 康宏校長先生のお話・穴埋め式まとめノート

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
神田女学園中学校高等学校(東京都 千代田区)の校長、芦澤 康宏先生のお話です。

番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

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Topics1:学校の概要

歴史の香りがする文教地区にある学校

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
それでは神田女学園中学校高等学校の校長、芦澤 康宏先生にお話をうかがっていきましょう。芦澤先生、よろしくお願いします


神田女学園中学校高等学校
芦澤 康宏 校長先生(以下、芦澤):

どうぞよろしくお願いいたします。

おおた:
まずロケ―ション的にはどういった場所にあるのか教えていただけますか?

芦澤:
本校は東京都千代田区にございまして、最寄り駅は神保町、水道橋からは徒歩6~7分ぐらい、お茶の水からはちょっとかかりますが10~15分ぐらいで本校に通学できる、立地的にはとても良い場所にあります。

おおた:
本当に都心というところに、こんなところに学校があるんだというぐらいの。私はお茶の水から歩いた記憶があるのですが、水道橋の方がずっと近いですね?

芦澤:
ええ。水道橋のほうが半分ぐらいで来られますね。

おおた:
私もおじゃましたことがあるのですが、学校の周りの環境についても教えていただけますか?

芦澤:
やはり文教地区ということで周りに色々な中高もございますし、とにかく大学がいっぱいありますので、学生の街ということでは非常に落ち着いております。本校の目の前には1874年に創建された東京の協会の中でも有数の歴史を誇っているカトリック神田教会さんがありますし、すぐそばの公立のお茶の水小学お茶の水小学校さんは昔、錦華(きんか)小学校と呼ばれていまして、かの文豪の夏目漱石が出た学校として知られています。

おおた:
ああ、そうなんですか!

芦澤:
ええ。校舎の横には、大正5年に猿楽町の駐在所として建設された建物がございまして、今は交番は廃止されていますけれども、町会の詰所として利用されていまして、さまざまな映画やドラマで利用されているというような、学生の街でありながら、古い由緒ある建物もたくさん点在しているような場所です。

おおた:
歴史的建造物にも囲まれているということですよね。神保町の書店街からもすぐですものね!

芦澤:
そうですね。

おおた:
すごく文化の香りがするところにある学校ですよね。

今年の2月1日、保護者控室では…

おおた:
学校の中、生徒さんの雰囲気や校風は?

芦澤:
女子校ということで、同性しかいない状況の中ですので、生徒たちが本当にのびのびと生活をしています。おとなしい生徒もいますし元気な子もいるんですけれども、それぞれがみんな居場所があって楽しく学校生活を送ってくれています。

おおた:
あと何か、学校の雰囲気や最近あった象徴的な出来事・エピソードなどはありますでしょうか。

芦澤:
そうですね、今、お話させていただいたとおり、楽しんでくれているというところが本当にそうなのかななんて思うところもありました。

実はちょうど2月1日から本校でも中学入試を実施したのですが、やはり中学入試は親御様たちの入試でもありますので、親御様たちが子ども達が試験をしている間、控室でずっと待たれているそんな姿を毎年見ているので。

私自身も中学受験を経験した親ですので、なにか少しでもリラックスしていただけることがないかなと思った時に、本校の中2・中3、高2・高3、4学年、中1と高1はふだんの説明会でもよく登壇してもらっていたので、違う学年をということで、これらの生徒たちに台本なしで、お父様お母さまが緊張しているからなにか話をしてくれとお願いをしまして。

変に大人が台本を作ってしまうとそれはほんとうの言葉にならないので。みんなが感じていることをそのまま話してもらっていいよ、なんてことをおねがいしましたら、ちょっと私がびっくりするぐらい、どの学年も1時間以上――もういい加減にやめていいよ、というぐらいずっと(話して)。パワーポイントまで自分達で作って。

そして何よりもすごく嬉しかったのは、どの学年の生徒も打ち合わせしているわけではないんですけど、学校に毎日登校してくるのが楽しいんだと言ってくれたのが、すごく心にささりましてですね。本当にこの子たちは楽しんでくれているんだなと。そんなエピソードが。

おおた:
そうですか!それを聞いて先生もほっとされましたか?

芦澤:
いやもう、ほんとに嬉しかったですね。

おおた:
嬉しいですよね。本当に、入試本番のお子さんたちが受けているのを待っているというその緊張感に満たされたところ、その保護者たちに対して中学生高校生がお話をされたわけですよね。

芦澤:
はい。

おおた:
ということは数年前の自分たちの親御さんがこの緊張感、この雰囲気の中でここにいたんだということが生徒さんたちがご覧になったということですよね。

芦澤:
そうですよね。

おおた:
それもすごい経験だなって思うんですよね。

芦澤:
我々教員も、そのあと何かご質問があったら部屋にいますのでとアナウンスをしたのですけれども、お父さまお母さまが質問に行くのは生徒たちばっかりでですね(笑)。

おおた:
ああ、でもそれはいいですよね。

芦澤:
子どもたちもお父様お母さまかたとお話ができたのはとても良かったみたいで。おっしゃる通りで、私たちも1年前、2年前こうだったんですよねという話を(していました)。

おおた:
そうそう。自分達も知らなかった、保護者たちの状況というのを目の当たりにして心のどこかでお父さんお母さんあの時ありがとうと思うかもしれないし、思春期で難しい多感な時期ではあるんですけれども、そんな後輩たちの保護者の緊張した面持ちをみたら少し、家に帰ってご両親に(対して)優しい気持ちが芽生えたりとかあったんじゃないかなと想像してしまいますけれども。

芦澤:
ぜひそうなってほしいなと思っています。

おおた:
それは生徒さんたちにとってもいい機会になったんじゃないかなと思います。

Topics2:沿革

家庭的な校風の中で誠実で品格ある女性を育てる

おおた:
そういったのびのびとした、色々な個性のお子さんたちがそれぞれに居場所を見つけていく、そしてとにかく学校に通うのが楽しいと言ってくれるような学校だということなのですが、この、学校の現在の姿はどのような生い立ちや歩みの中でかたちづくられてきたものなのか、建学の精神や理念ですとか、あるいは歴史の部分についてうかがっていきたいなと思います。

芦澤:
本校は1890年(明治23年)に初代の東京市長であった松田秀雄氏、あとは江戸時代からの礼法家の小笠原清務氏、当時の衆議院議員であった角田真平氏の3氏によって、(中略)現在の西神田二丁目あたりに 神田高等女学校として創立しています。

その当時の初代の校長が竹澤里先生とおっしゃいまして、千葉県の鴨川市の出身で 明治の初期ですので当時極めて低調だった女子教育の必要性を痛感して、東京女子高等師範学校(現在のお茶の水大学)を卒業した後に(中略)女子教育の先駆者の一人となって活躍をされた、そういう創立の歴史がございます。

以来、関東大震災や太平洋戦争など幾多の試練を乗り越え、校舎もなんとか建て直しを繰り返して、現在の伝統が脈々と受け継がれて女子教育の輪を広げているという状況です。

本校の校訓は「誠 愛 勤 朗」という4つの文字でできておりまして、これらの徳目を身に付けた品格あるおおらかな女性の育成を教育の指針として現在に至っています。当時から家庭的な校風。それを脈々と受け継いで存在している学校でございます。

おおた:
家庭的な校風というのが、ひとつ、変わらぬ姿であって。校訓の「誠 愛 勤 朗」(中略)はそれぞれどういう解釈をすればよろしいんでしょうか?

芦澤:
先ほどもお話させていただいたとおり、とにかく物事に誠実で品格ある女性を育成するんだと。とにかく女子教育で長年、ずっと培われてきておりますので、これからの解のない社会で生きていくための女性の力としては、とにかく品格あるおおらかな女性を育成するという、そういう思いで、先人たちのたゆまぬ努力を我々も現代に引き継ぎながら女子教育にたずさわっております。

Topics3:保護者様へのアドバイス

中高の6年間で大きく成長するためには〇〇が大切

おおた:
そういった「誠 愛 勤 朗」を理念とする神田女学園さんですが、神田女学園さん流の教育のエッセンスを一般のご家庭の中で取り入れるヒント、あるいは子育てのアドバイスのようなものをいただければと思いますがいかがでしょうか。

芦澤:
どちらの学校様でもたぶん同じことだとは思うのですが、本校でも思春期を迎える子どもたち、中高の6年間には色々なことが起こると思うのですけれども、私たちが一番大切にしたいと思うのは、(1)を養ってあげる(ことです)。

本校の生徒たちも意外と――元気がある子たちなんですけれども――(1)が低い子たちが多いなと感じています。

中高時代に(1)をきちんと養うためには、まず「認めてあげる」ということを第一に教育活動を行わないといけないだろうと、我々教職員一同考えておりまして。そのためにはとにかく、「だめだなぁ」とか「また失敗しちゃったのか」とか「やっぱり無理だよね」とかこういった否定的なワードは使わないようにしようと、共通して認識を持っています。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉は何でしょう?

テスト

また、本校でも、もちろんいろんな学校行事・学校活動があり――教員主体でやった方がスムーズにいきますしうまく見せられるというところはあるのですが――今お話したとおり、達成感、自己肯定感を上げるためには、自分たちが中心になった取り組まないとなかなか自己肯定感は上がらないと思いますので、色々な活動を「生徒主体」で取り組ませています。

ですので、当然ながら失敗はいっぱいあるんですね。ただ、その中で、子どもたちには「何度失敗してもいいんだよ」「失敗の中に学びがあるよね」という言葉をかけたりですとか、「思ったことを存分にやってみようよ」と本人の考えや行動を認めながら、子どもの背中を押せるようなワードを意識して声かけをしてあげることが大切だろうと。

私も教員生活に長く携わらせていただいているのですが、中高の6年間は私たち大人の想像をはるかに超えた成長がみられるので。しかし、成長する子どもには共通の部分があり、自己肯定感が高い子というのがものすごく伸びていくんだろうなと感じています。

ですので、認めて・ほめてあげることを意識していくことが大切なんじゃないのかなと。

本当にありきたりなんですけれども。ただ、我々大人は、わかっていてもつい、目の前で子どもが失敗したりしているとつい「だめだなあ」なんて言いがちになってしまうんですけれども、そこをぐっとこらえてですね、やはり認めて、ほめてあげる。ほめられて嫌な気持ちがする人はいないと思うので。そこをとにかく注意しながら、教育活動を行っています。

おおた:
そしてご家庭においても、やはり認めてあげる、ほめてあげるということを意識して、自己肯定感を高く保つことが中高生、思春期の成長における――なんというのでしょう、ホップステップジャンプじゃないですけれども、一気に成長をしていくこの機会においての大事な土台になってくるよというような意味合いでしょうか。

芦澤:
そうですね。

おおた:
ありがとうございました。校長室訪問、今回は神田女学園中学校高等学校の校長、芦澤 康宏先生にお話をうかがいました。芦澤先生、ありがとうございました。

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