共立女子第二中学校高等学校 晴山 誠也校長先生のお話・穴埋め式まとめノート

この記事は、文化放送PodcastQRで毎週月曜日に配信されている「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」の内容を、確認クイズ付きでWeb再録したものです。

配信内容を書き起こすとともに、その一部を「穴埋め(ブルダウン式の三択)」クイズにしております。

番組を聴きながら穴埋めを完成させて、楽しみながら学校への理解を深めていただければ幸いです。

今回お届けするのは、
共立女子第二中学校(東京都 八王子市)の校長、晴山 誠也先生のお話です。

番組の聴取は下記より↓↓

【大切なお願い】

※このWeb再録は、「【中学受験】おおたとしまさの『校長室訪問』」をより楽しんでいただくための取り組みとして、文化放送様の許諾をいただいて実施している特別企画です。

クイズを楽しんでいただいたあとは、ぜひページ末尾のアンケートフォームから、番組のご感想やリクエストなどをお送りください。

この企画を続けていくことができるかは皆さまのお力にかかっております。ご協力、どうぞお願いいたします!

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Topics1:学校の概要

「空に一番近い学校」でセルフリーダーシップを身につける

おおたとしまさ氏(以下、おおた):
それでは共立女子第二中学校高等学校の校長、晴山 誠也先生にお話をうかがっていきましょう。晴山先生、よろしくお願いします


共立女子第二中学校高等学校
晴山 誠也
校長先生(以下、晴山):
よろしくお願いします。

おおた:
(中略)まずは学校の立地について最寄りの駅ですとか周りの環境ですとかについて教えていただけますでしょうか。

晴山:
本校は八王子市の西部にございます。校舎の窓からは日本遺産にも認定されました。高尾山が近くに見える標高約200メートルの月夜峰という丘陵に東京ドーム5個分の広大なキャンパスを構えております。非常に意識の変化がはっきりしておりまして、生徒たちは直にその変化を感じることのできる緑豊かな環境にございます。

おおた:
高尾山ですと11月になってくると、もうそろそろ秋…

晴山:
そうです。紅葉がぼちぼち。

おおた:
そうですか。それを学校から眺められるというのはなかなかぜいたくな。

晴山:
そうですね。高尾山だけでなく、丹沢の山々とか青梅の方面も見えるんですね。天気が良い時は筑波山まで見えるんですよ。

おおた:
標高200メートルともなれば景色がいいですね!

晴山:
はい。広さもさることながら、高さも都内でも随一だというふうに聞いておりまして。

おおた:
学校の場所としてはということですね。

晴山:
そうですね。「空に一番近い学校」というキャッチフレーズを使っております。

おおた:
ああ、いいですね。ラピュタみたいでいいですね!

晴山:
この丘陵の名前が月夜峰というのですけれども、その名前の通り夜空の月とか星の観望には本当にもってこいの場所なんですね。空気の澄んだ、これから秋から冬にかけては校舎の屋上で望遠鏡を持ち出して、生徒の希望者を対象にして、天文教室を行ったりしています。

おおた:
それはすごく恵まれた環境ですね。

晴山:
そうですね。光の邪魔がほとんど入らないものですから、よく見える場所なんです。

それから最寄りの駅はJRの中央線と京王線の高尾駅です。そしてJRの八王子駅も利用できるんですけれども、それぞれからスクールバスを配車しております。最近はJRの横浜線を利用する生徒も増えているということもありまして、八王子駅からのバスの利用率は今、7割近くに上っていますね。

おおた:
八王子からスクールバスに乗って。

晴山:
そうですね。週末になりますと、高尾山に向かうリュック姿のかたがたくさん電車に乗っているんですけれども、制服姿の本校の生徒が同じ電車に乗っている様子は、もう昔から変わらない光景です。

おおた:
それはすごくユニークな風景かもしれませんね。

晴山:
そうですね。あと、名所と言えば、近くに大正天皇と昭和天皇を祀った多摩御陵ですとか、いちょう並木が非常に美しい甲州街道などがございます。

おおた:
「空に一番近い学校」という共立女子第二中高さんなのですけれども、それでは学校の中のご様子はどんな感じなのかも教えていただけますでしょうか?

晴山:
はい。本校は中学校が3クラス、高校からは新たな入学者も加わって、学年あたり6~7クラスで構成されております。全校生徒数が約750名。半数近くがだいたい八王子を中心とした多摩地区から通学しております。5月に放送していただいた神田の共立女子中学高等学校とは同じ併設校で、生徒のタイプとしては共通するものがあると思っています。

おおた:
そうでしょうね。

晴山:
非常に明るく元気で気が優しい生徒が多いということ、ただ、こちら八王子は空間が非常に広いものですから、なんというのでしょうか、のびのびと頑張る生徒が多いなぁというふうには感じております。

それから、私は普段校長室のドアを開けておくんですけれども、時折、生徒たちが訪ねてきて、色々と学校生活について話に来てくれたりします。最近では、本校の運動会――体育大会と言っているのですけれども――について「もっとこんなふうにしたら喜んでもらえるんじゃないかな」なんて考えをいろいろ意見してくれましてね。それが決して一方的な要求ではなく、今の共立第二の良さを大事にしながらもっと良くしたいという思いが込められていて。私としては非常に頼もしく思えました。

実は昨年度から共立女子学園ではリーダーシップの共立というのをビジョンとして掲げているんです。

おおた:
大学も含めて全体でですか?

晴山:
そうですね。大学から幼稚園まで。これに基づいて本校では「セルフリーダーシップを発揮し、広く社会に貢献できる自立した女性」の育成に力を注いでいるところなんです。

組織のトップに立つリーダーシップというのとは異なりまして、自分ならではの力で友達と仲間と協力して課題を克服する力を指しておりまして、こういったことをいろいろな各種行事、あるいは探究の時間などを利用して、育成しているところです。少しずつ今、その芽が出てきているんじゃないのかなあと。

おおた:
すごく早いですね!

晴山:
実は高校の方では昨年度から新しいコース制を導入しました。実はこれまでも特別進学コースとか総合進学コースがあったんですけれども、これに加えまして、英語力の向上に特化してクラスの仲間全員が1年生の3学期にまるまるニュージーランドへターム留学するという英語コース、それから、高大連携、上に共立女子大学があるんですけれども、高大連携に重点を置いて、高校3年生で共立女子大学の講義を受講できるという共立進学コースというのを加えました。これによって生徒たちも非常に進路志望が多様化しているんですけれども、そういったものに細かく対応することが可能になりました。

おおた:
今は4コースあるということでしょうか。

晴山:
そうですね。最終的には4コースということになります。

Topics2:沿革

大学仕様の広々キャンパスで「咲き誇る未来」へ

おおた:
そういった共立女子第二中高さんですが、学校の歴史についてもうかがていきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

晴山:
本校の母体である共立女子学園、これは、共立女子職業学校として、1886年に34名の先駆者たちによって共同設立された学校なんですね。その中で本校は1970年に第二高等学校として八王子キャンパスで産声を上げました。以来、もう半世紀を超えております。

それから第二中学校はその後1984年に設立されまして、建学の精神は、学園一貫して「女性の自立と自活」、それから校訓は「誠実・勤勉・友愛」です。

初代の校長は鳩山薫先生でして、鳩山一郎元総理の奥様としても大変有名なかたなのですけれども、当時は、地域の方々、鳩先生の名前の入った卒業証書をすごく大事にされていて、家宝にしている方もいらっしゃるというふうに聞いております。

おおた:
鳩山家のご先祖の方が共同で設立をされたお一人なんですよね。確か。

晴山:
そうですね、春子先生ですね。

おおた:
1806年に古い歴史を持っている学園であるということと、それが八王子の地に1910年に第二学校というのを作ることになった、これは何かねらいとか問題意識があったのでしょうか。

晴山:
もともと神田の一橋キャンパスに大学があったわけなんですけれども、ここもかなり過密化してきたこと、それから短大を新たに作るということを目的に、当時、多くの大学が町域に進出してきました。

共立女子においても八王子キャンパスというのを設定して、大学の1年生と2年生はこちらに通って学ぶということで、このキャンパスが設立された次第なんです。その時に同じ校地内に第二高校、これが設立されました。

おおた:
大学のキャンパスを作るのであれば、そこに附属校も一緒にもう一つあったら、より多くの生徒さんを受け入れられるじゃないかということで。都心に近くなくても西東京でも通いやすいということで。

晴山:
そうですね。ただ一方で、21世紀に入ってから、大学がまた首都圏というか都心回帰というのでしょうか、都心のキャンパスにまた統合するという流れがありまして、共立女子大においても2010年大学をもとの一ツ橋キャンパスに統合したんです。

その関係で今現在、第二中学高等学校は大学のキャンパスをリニューアルして中高生だけで利用している状況なんです。ですから、施設の多くは大学仕様のもので、非常に広いし、図書館なんかも蔵書数が60,000冊。まさしく知識の源泉となっております。

その他には、私は実は理科を担当しているのですけれども、実験室が4つございます。また、1500名収容できる大講堂で、テニスコートは9面。ゴルフ部がある関係でゴルフ練習場もあるんです。いわゆる打ちっぱなしのところで。

こういった施設が非常に恵まれておりまして、生徒たちはのびのびと活動しております。

おおた:
それはもう、恵まれているというか、ちょっと贅沢な感じがしてしまうぐらいですね。

晴山:
そうかもしれません。もう創立以来、第二高校だけでも1万3000人に及ぼうとしている卒業生がいるんですね。この卒業生たちは非常にユニークな活躍をしている方が多くて、例えば直木賞の作家で中島京子さんという「小さいおうち」という(本を書いて)映画化もされましたけれども、作家のかたとか、プロの囲碁棋士の吉原由香里さん、現在活躍しているプロゴルファーでは宮田 成華さんとか。

おそらく先生もご存知と思いますが、昭和世代なら誰でも知っている曲のひとつとして「異邦人」ってご存知でしょうか。あの異邦人を歌った久保田早紀さんなんかも本校の卒業生なんです。

おおた:
ああ、そうなんですか。

晴山:
ですから、その他にも非常に様々な分野で活躍している人がおりまして、我々は「咲き誇る未来」というのを目指しているんですけれども、それを見事に実現しているのではないかなぁと感じております。

Topics3:保護者様へのアドバイス

〇〇の瞬間を見逃さずに、評価してあげたい

おおた:
「咲き誇る未来」という卒業生たちをたくさん輩出していらっしゃる共立女子第二中高さんですが、その教育のエッセンスを何か一般のご家庭でも採り入れられるヒント、子育てアドバイスのようなものをいただければと思いますがいかがでしょうか。

晴山:
あまり専門的なことは言えませんけれども、私も42年間生徒と接する中で、今も昔も変わらないことを挙げてみると、中高の6年間で生徒一人ひとりには大なり小なり「(1)瞬間」というのがあるんですね。

<確認クイズ>
(1)に当てはまる言葉の組み合わせは何でしょう?

テスト

晴山:
私はそれを見逃さずに、評価してあげることをとても大切にしてきました。

たとえば最近の例であげますと、本当に中学時代は引っ込み思案でなかなか会話も成り立たないくらいのお子さんだったのが、実は、高校生になって、この前高校2年生になりまして、文化祭の壇上で司会をやっていたんですね。あまりにも上手だったものですから、いやあ司会良かったねえと声をかけたところ、にこーっと笑っていたのがすごく印象的だったんですね。

私もこの教員生活の中でこういった(1)瞬間というのを何度も見てきたんですけれども、(1)内容とかきっかけには個人差はあるのですが、子どもは必ず(1)ということを信じること、かつ、その瞬間を見逃さない、そしてさらには、時としてこのことを評価してあげて、場合によっては背中を押してあげることというのが大切なのかなと普段感じております。

女子校っていうのはその意味では、そのきっかけというのがあちこちにありまして。女子校ならではの部分ではないかなという風に、日頃考えております。

おおた:
ジェンダーにとらわれず、色々なことに挑戦できる。女の子だからこれをしちゃだめとか女の子だからこれをしなさいみたいなことはないということなんですよね。

晴山:
そうですね。

おおた:
(1)瞬間、あるいはその、目をキラッと輝かせる瞬間みたいなものを周りの大人が見逃さないという。そこでスマホ見ている場合じゃないですよと。大人のほうが。

晴山:
もう、まさしくその通りです。

おおた:
見た時に「みているよ」と。先ほど先生は評価とおっしゃいましたが、別にそれは100点満点で80点とかそういう評価ではなく。

晴山:
ではないです。

おおた:
見ているよと、今のキラキラしていたの、見てたよ!とそれを伝えてあげるということですよね。

晴山:
そうですね。私はもうそれで十分だと思います。

おおた:
本当ですね!ありがとうございます。校長室訪問、今回は共立女子第二中学校高等学校の校長、晴山 誠也先生にお話をうかがいました。晴山先生、ありがとうございました。

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